類語辞典には、「体・たい」「身体」「肉体」「身」「体・からだ」「ボディー」などが類語となっています。
「体」は身体の内、頭と手足を除いた部分を表します。
一方、「身体」は頭・胴体・手足全てを一まとめにした言い方です。
どちらも、「体・身」を表しますが、身体が体全体を表すのに比べ、「体」は範囲が狭くなり、主に胴を表す言葉です。
「体」の意味
頭から足までまとめていう言葉です。
主に胴の部分を指して言います。
「身体。
体躯・肉塊・ししむら」のことを指します。
時には、「死体」のこともさします。
義経記には「むなしき体に向かひて嘆きたまひけるは」とあります。
「肉体的な健康・体力」の意味も含みます。
「体を鍛える」「体をこわす」「お体大切に」などの用途に使われます。
「身体」の意味
体。
体躯。
人間の体のことです。
体全体を表します。
近世ヨーロッパ思想に於いて、「身体」を物質と精神に分けました。
それ以来、「身体」とは心と全く無関係な物質メカニズムとされました。
この思想を土台にヨーロッパの自然科学が発展しました。
ヨーロッパの思想に於いて、宗教的、または哲学的に、「身体」とは人間の体に限られた言葉です。
「体」と「身体」の用途
◇「体」の用途と意味
「体つき」・・・身体の様子・身体の恰好
「体が空く」・・・仕事や用事を終えて暇になる
「体が続く」⇔「体が続かない」・・・長く負担の大きい仕事に体が耐えること
「体に障る」・・・体に悪い影響がある
「体を惜しむ」・・・骨惜しみする
「体をこわす」・・・健康を損なう
「体を張る」・・・一身を投げ出して行動する
◇「身体」の用途と意味
「身体検査」・「身体障害者」などがあります。
「身体の自由」は、「人身の自由」と同じです。
「近代憲法の保障する自由権の一つです。
法的な手続きによらず、かつ、正当な理由なく、逮捕・拘禁・処罰などを受けません。
日本国憲法第31条もこれを保障します。
」
「身体髪膚」は、身体と髪と皮膚のことです。
身体全部です。
義経記には「義経、身体髪膚を父母に受け」とあります。
まとめ・「身」と「体」の漢字
「体」という漢字の字義は、からだ。
首・胴・手・足の総称です。
身体・肉体のことです。
また、手足・四肢、姿かたち、持ち前・本性。
物事の根本という意味も含みます。
「体験」のように身に着けることも意味します。
「体」は「體」の俗字です。
「體」は、「骨+豊」で構成されます。
意味は、「多くの物が密度高く集まっている」という意味です。
つまり、「体」とは「多くの骨から成っている」という意味です。
「身」の字義は、体・身体。
頭の部分を除いた部分です。
また、幹、中心部分、刀剣の刃、体積、「われ・おのれ」、自ら、身ごもるという意味も含まれます。
「身」は象形文字です。
人が身ごもった形にかたどられました。
この「身ごもる」という意味から転じて上記の「身」の意味が発生しました。