「注文」と「用命」の違い・意味と使い方・由来や例文

B!

「注文」は、品物の製作・送付を依頼することです。

または、あつらえ物の希望・条件のことです英語では「order」「make an order」で表されます。

「急ぎの注文」は「a rush order」です。

「追加注文」は「make an additional order」「make a supplementary order」です。

「用命」は、用事を言いつけることです。

英語では「order」「give an order」で表されます。

「何なりとご用命ください」は「We are ready to comply with your request.」「We are ready to carry out your orders.」「We are at your service」です。

「注文」の意味

「注文」は、以下のような意味です。

①注進の文書です。

「注進状」のことです。

②書付のことです。

「書状」をいいます。

源平盛衰記(27)に「おのおの聞き書きの注文に仔細を載せられたり」とあります。

③品種・数量・形・寸法などを指定して製作・送付を依頼することです。

あつらえることです。

④あつらえ物の希望・条件のことです。

また、その書付のことです。

狂言「末広がり」に「頼うだ人の注文のおこされてござるほどに、これに合うたらば買ひませう」とあります。

⑤こうしたいああしたいと期待することです。

また、その条件を指します。

以下のように使います。

背広を注文する 注文を取る 注文相撲
なにやかやと注文がうるさい 無理な注文を付ける

「用命」の意味

「用命」は、用事を言いつけることです。

命令することです。

「注文する」と同じ意味です。

多くの場合、「御用命」の形で、客の注文を受ける側が用います。

以下のように使います。

なにとぞ私どもにご用命ください 当店にご用命ください
ご用命の品です なんなりとご用命ください

<用の漢字>
字義は「もちいる」「働き・能力」「宝・財貨」「器に盛った供え物」「以て」です。

解字では、この文字は象形です。

甬鐘(ようしょう)という鐘の象形で、鏞(よう)の原字です。

「この柄をもって持ち上げる」を表します。

転じて、「取り上げる、もちいる」を意味するようになりました。

「甬」は、甬鐘(ようしょう)を意味します。

「甬」と「用」は、同一字だった可能性があります。

「注文」と「注進状」

「注進状」は、土地の状況その他を調査してその明細を注記して具申する文章のことです。

平安後期から室町後期ごろ行われました。

「注文」「勘録状」「実検状」と同じ意味です。

「注進」は、変事を記して上に申し進めることです。

大事や事件を急いで報告することです。

平家物語(6)に「平氏調伏の由注進したりけるぞおそろしき」とあります。

「注文」は、品物の 製作・送付を依頼すること、または、あつらえ物の希望・条件のこと、 「用命」は、 用事を言いつけること
「注文」「用命」は、類語です。

共通する意味は「必要な条件を示して、製作・購入などの依頼をすること」です。

「注文」は、製作・購入などの依頼そのものを指します。

また、「見合いの相手には厳しい注文を付ける」のように、希望や条件を出すことも言います。

「用命」は、用事をいいつけることです。

多くの場合、「ご用命」の形で、依頼を受ける側からの表現になります。

最新の記事はこちらから