「海老」と「蝦」の違い・意味と使い方・由来や例文

B!

一般的に、大型の「えび」には「海老」を用い小型のものは「蝦」を用いるとされますが、一概には決められません。

慣習に従って用いるというのが実情のようです。

「いせえび」は「伊勢海老」と表します。

体長は30cm以上です。

しかし、「錦蝦」は体長約60cmですが、「蝦」の文字を使います。

「さくらえび」は「桜蝦」と書きます。

体長は約5cmです。

淡い紅色です。

深海浮遊性です。

英語では「a small shrimp」で表されます。

「海老」の意味

「海老・えび」は、エビ目の甲殻類の一群の総称です。

体は頭胸部と7節に分かれた腹部を持ちます。

多くの種が食用とされます。

腰の曲がった形状が老人をほうふつとさせるため、長寿の象徴とされます。

古くは「海の翁」や「海の老」と表しました。

宇津保物語には「小さき子の深き雪を分けて、手足は海老のようにて、走り来るを見るに」とあります。

◇「いせえび」は「伊勢海老」と表します。

体長は30cm以上です。

体は赤褐色です。

水深20~30mの岩場に住みます。

姿が美しいので祝儀や正月飾りに使われます。

英語では「a lobster」で表されます。

◇「錦蝦」は、隊長60cmですが、「蝦」の文字を使います。

伊勢海老類中最大の種です。

甲羅は暗緑色です。

「蝦」の意味

「蝦」は、一般的に小型の「えび」を表します。

「くるまえび」は「車蝦」または「車海老」と書きます。

体長は約20cmです。

淡い褐色です。

英語では「a prawn」で表されます。

「しばえび」は「芝蝦・青蝦」と書きます。

体長は約10cmです。

淡い黄色に緑色の地裁斑点があります。

英語では「a prawn」で表されます。

「さくらえび」は「桜蝦」と書きます。

体長は約5cmです。

淡い紅色です。

深海浮遊性です。

英語では「a small shrimp」で表されます。

※これらから、比較的小さい「えび」には「蝦」の漢字を用いることが解ります。

「蝦」の漢字

◇「蝦・えび」の漢字
「蝦」の字義は、「ガマガエル」「えび」です。

「蝦・エビ」のもとの字は「鰕」です。

「蝦」の解字では、「虫+?」で構成されます。

「鰕」の字義は、「海老・蝦・えび」「さんしょううお」「雌の鯨」です。

「鰕」の解字では、「魚+?」で構成されます。

「?」の字義は、「貸す・かりる」「仮に・かりに」です。

「?」は解字に於いて、「未加工の玉」という意味です。

これから「仮に」という意味になりました。

「虫」は、一般的に爬虫類を表します。

「魚」は「さかな」を表します。

「?」が「仮に」を意味するので、「蝦・えび」の漢字は「仮に爬虫類・仮に魚」という意味になります。

◇「蛯・えび」の漢字
字義は「えび」「海老・蝦」に同じです。

解字に於いて、「蛯」は「虫+老」で構成されています。

「老」の部分は、老人の腰のように曲がるという意味を表し、「蛯」は「えび」を表します。

「海老」は大型で縁起物を表す場合、「蝦」は小型の場合
「えび」には、海底を歩くタイプの歩行型と海中を泳ぐタイプの遊泳型があります。

一説に、歩行型を「海老」、遊泳型を「蝦」と書くとされますが、厳密な区別はありません。

例えば、「いせえび」は「伊勢海老」と書きますが、同じものを鎌倉沖で取れたことを表す場合は「鎌倉蝦」となります。

同じものでも「海老」を使ったり「蝦」を使ったりするので、どちらの漢字を使うかは慣習に従ていると云ってよいでしょう。

一般的には、大きく縁起物を表すときは「海老」を用い、小さい場合は「蝦」を用います。

最新の記事はこちらから