「ツナ缶」は、どこの会社が作ったものかに関わらず、カツオやまぐろを使った缶詰の総称です。
調理方法や使っているのがカツオかまぐろかの違いは関係ありません。
「シーチキン」は、「はごろもフーズ」という会社が作ったツナ缶のことです。
はごろもフーズ以外の会社が作ったものはシーチキンではありません。
ですからもし個人で作ったとしたら、それは「ツナ缶」です。
ツナ缶の意味
ツナというのは、魚の種類のことをあらわしています。
ツナ:hunniniという言葉には「マグロ属」という意味があり、スズキ目サバ科マグロ属という種類の魚の種類をさしています。
このスズキ目サバ科マグロ属には、本まぐろと呼ばれるクロマグロや、キハダマグロやビンナガマグロという魚が属しています。
ところが、ツナ缶によく使われているカツオはマグロ属ではありません。
カツオはスズキ目サバ科カツオ属という種類に属している、いわばマグロとは親戚関係なのです。
けれど欧米では漁法や用途が似ているのでひとくくりにされているばかりか、実は缶詰もカツオを使ったものが主流なので、ツナ=カツオと思われているようです。
これらの魚を加工して缶詰にしたものを「ツナ缶」と呼んでいるので、誰が作っても「ツナ缶」と呼ばれます。
シーチキンの意味
シーチキンというのは、日本の静岡県にある「はごろもフーズ」という会社が作るツナ缶のことです。
「シーチキン」というのはこの会社の登録商標、つまり商品名なのです。
ツナ缶といえばいなば食品もトップメーカーですが、いなば食品の製造したものはシーチキンではないということです。
もともとはごろもフーズはビンナガマグロの油漬けの缶詰を作っていたのですが、「油漬け」という言葉が当時の若い世代には「車を連想させる」こと、原料として使っているビンナガマグロの身が鶏肉のように白かったので別名「海の鶏」と呼ばれていたことから、「シーチキン」と名前を変えて売り出すことになったそうです。
ツナ缶とシーチキンの用例
厳密にいうとお料理のレシピに「シーチキン60g」と書いてあって場合は、はごろもフーズが製造しているシーチキンという缶詰を使わなければなりません。
他の会社が出しているツナ缶は使用しないということになります。
これが「ツナ60g」と書いてあれば、どこの会社であろうと、自分の好みの会社が作ったものを使うということになります。
ツナでもシーチキンでも美味しいものは美味しい
サバ缶がもてはやされる前はツナ缶ブームがありました。
お魚が苦手という人も、ツナ缶は大好きという人が多いはず。
一時期シーチキンは、ツナ缶市場の5割近くを占めていましたので、その美味しさがそのツナ缶ブームを引っ張っていたともいえるでしょう。
価格も安定していてさまざまな料理に使えるツナ缶は、もはやブームに左右されないスタンダードな食品といえるのではないかと思います。