声に出して発音すると同じながら文字にすると二通りの表記が存在する言葉に(じ、ぢ、ず、づ)があります。
これらの表記が(現代仮名遣い)の中で定められました。
終戦直後までは、(歴史的仮名遣い)の(つづ)が使用されていました。
昭和21年に(現代仮名遣い)で定められたその中で(ずつ)に統一され、昭和60年に(づつ)は(歴史的仮名遣い)に対して(ずつ)が(現代仮名遣い)の表記が認められました。
(づつ)とは
ものを数えるときに(1つ)(2つ)と(つ)が付きますが(ずつ)の語源は物を数えるときの音の(つ)を重ねたものだと言われています。
初めて使われたのは(精選版日本語大辞典)によれば、伊勢物語(10世紀前)(鳥の子を十づつ)、源氏物語(1001年~1014年)紅葉賀(やうやうすこしづつさはやい給ひける)だそうです。
(づつ)に対応した漢字記載はありません。
(ずつ)とは、
辞書では(ずつ)を漢字で(宛)として記載があります。
昭和61年の現代仮名遣いが改定され教科書や公文書などで使用する場合は(ずつ)を使うのが正しいとされテストなど正誤を問われるときには(ずつ)と書くことが正解とされます。
(ずつ)も随分古くから使用されてきたようで古文の大鏡道長(行事二人に五十人ずつわかたせ給ひて)と記載されています。
づ)ず)の使い方の用法、用例
現代仮名遣いの内閣訓令では(ず、づ)の使用について表記の慣習を尊重して一定の決まりを定めました。
①同音の連呼によって生じる場合は(づ)を使用。
例)、つづく(続く)②二語の連合の場合も(づ)を使用。
例)てづくり(手作り)、にいづま(新妻)、みかづき(三日月)。
例外を除き二語に分解できないものは(ず)を用いる。
例)さかずき(盃)、みみずく。
特例として、りゃくず(略図)などがある。
言葉の使い方を知る
普段、言葉の違いや使い方をあまり詳細にとらえていないことが多く、新しい造語や流行語などを使用する機会が増え、古くからある日本語の使い方がわからなくなってきています。
(づつ)と(ずつ)が歴史的仮名遣いや現代仮名遣いの改定により使い方が変化していたということは他の言葉の場合も同じように歴史的変化があって現在に残っているということです。
日本語の繊細な言い回しや使い方、意味合いをもっと学べばコミュニケーション不足な現代の人間関係がより豊かなものになるでしょう。