「並ぶ」と「列ぶ」の違い・意味と使い方・使い分け

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「並ぶ」と「列ぶ」は同じ意味です。

一般的に「並ぶ」を用います。

「ずらりとならぶ」という意味では、「列ぶ」と表す場合があります。

「並ぶ」は、「人が同じ方向を向いて列を作る」という意味です。

また、「隣り合って位置する」ことです。

また、「物が列をなして配置される」「秩序正しく配置される」という意味もあります。

「二件並んでラーメン屋がある」「卓上に料理が並んでいる」「五十音順に氏名が並んでいる」「本棚に全集が並んでいる」のように使います。

さらに、「程度に差が無く対等である」「肩を並べる」という意味です。

「水泳では彼に並ぶものはいない」「長打力で彼に並ぶ者はいない」のように使います。

「並ぶ」と「列ぶ」の意味

「並ぶ」と「列ぶ」は同じ意味です。

一般的に「並ぶ」を用います。

「ずらりとならぶ」という意味では、「列ぶ」と表す場合があります。

「並ぶ」は、二つ以上のものが同じ方向に向いて同列に位置する状態のことです。

「同列に扱う」という意味です。

万葉集(7)には、「吾妹子に我が恋ゆけばともしくも並びおるかも妹と背の山」とあります。

源氏物語には、「並び給へりし折はとりどりにて、更に似給へりとも見へざりしを」とあります。

また、「三列に並んで歩く」「先着順に並ぶ」「店先に客が並ぶ」「二人並んで歩く」「生徒を二列に並ばせる」
「銀杏並木」「彼の横に並んでください」のように使います。

さらに、「匹敵する」「等しい」という意味です。

源氏物語(玉鬘)には、「上の御形は、なほ並び給はむとなむ見給ふ」とあります。

「世界記録に並ぶ好タイム」「文章力ではこの作家に並ぶものがない」のように使います。

加えて、「そろっている」「皆整っている」という意味です。

源氏物語(絵合)には、「いたう進みぬる人の、命、幸と並びぬるはいと難きものになむ」とあります。

「近くに接近している」という意味です。

賀茂保憲女集には、「過ぎにしとしごろ並べる年月の中に求むれば、わが身のごと悲しき人はなかりけり」とあります。

「並」と「列」の字義と 解字

「並」の字義(漢字の意味)は、「ならぶ」「ならべる」「ならびに・皆」「ならび・列」です。

解字(漢字の解説)に於いて、「並」は「立+立」で構成されます。

「立」は立った人の象形です。

「並び立つ」という意味を表します。

常用漢字の「並」は「竝」の省略形です。

「列」の字義(漢字の意味)は、「わける」「つらなる・ならぶ・ならべる」「ならび・行列」「位・順序」「つれ・くみ」「多数の・列国」です。

解字(漢字の解説)に於いて、「列」は「刀+歹」で構成されます。

「歹」は毛髪のある頭骨の象形です。

刀で首を切る様から、「分ける」の意味を表しました。

また、「連」に通じ、「つらなる」の意味も表します。

「並ぶ」「列ぶ」の英訳

「並ぶ」「列ぶ」を英訳する場合、以下のように訳します。

列を作る場合、「stand in a line」
横に並ぶ場合、「stand in a row」
隣に並ぶ場合、「stand next to him 」
    「stand by one‘s side」
並んで行進する場合、「march abreast」
Students marched three abreast. (生徒は3列で行進した)
両側に並ぶ場合、「line on both said 」
The road is lined on both sides with ginkgo trees. (道の両側に銀杏の木がならぶ)
「匹敵する」を表す場合、「No one equals him」
No novelist can compare with him for beauty of style. (文章の美しさで彼に並ぶ小説家はいない)

「並ぶ」も「列ぶ」も「人や物が列をなして続くこと」です。

一般的には「並ぶ」ですが、「ずらりとならぶ」という意味では「列ぶ」を用いる場合があります。

「連なる」「並ぶ」「列する」は、類語です。

共通する意味は、「人や物が列をなして続く」です。

「連なる」は、「たくさんの物が、一列に切れ目なく長くつながっている」という意味です。

また、「末席に連なる」のように、「関係者の一人としてある集団の仲間入りする」「会合や式に参加する」という意味です。

この場合「列なる」とも書きます。

「並ぶ」は、二つの物や人が隣り合ったり、「三つ以上の物や人が列を作ったりしてきちんと配置される」という意味です。

また、「語学力で彼に並ぶ者がいない」などのように、二つの物や人が同等の力を持ったり、同等に比べられたりする場合にも用います。

対を成して並ぶ場合は、「双ぶ」となります。

また、「ずらりとならぶ」という意味では、「列ぶ」と表す場合があります。

「列する」は、「連なる」のようにあるメンバーに加わる、または、参加するという意味です。

文章用語です。

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