現代では「資本家階級」「有産階級」「資産家」をさす言葉で、平たくいうとお金持ちです。
フランス語の「bourgeois」を語源とし日本では「ブルジョワ」と表記されることもあるカタカナ語です。
格差が広がりつつある社会では富裕層の話題も増え、耳にする機会もあるのではないでしょうか。
そのような意味でもまさにいま記憶される単語なのかもしれません。
「ブルジョア」の意味
「ブルジョア」は時代とともに少しずつ意味するところが変化していきます。
まず中世のフランスでは市民・町民を指していました。
貴族や農民と区別する必要もあったそうです。
17世紀を過ぎ産業革命がおとずれると、生産手段をもった資本家がその名を冠し始めます。
そして拡大解釈された現在では「富裕層」「金持ち」「成金」などにも適用される言葉となりました。
「ブルジョア」の使い方
いまの社会では有産者・無産者といった明確な階級で人を判断するのは難しいことです。
そのため現代における「ブルジョア」は、なんとなくでもお金持ちや資本家・資産家のような人を指したりもします。
具体的には「あの人は高級マンションに住んでブルジョアみたいだ」などでしょうか。
また戦後日本では成金的な人物を「ブルジョア」と言い習わすこともあります。
成金のイメージも手伝い揶揄する言葉として使われる場面もあるようです。
「ブルジョア」の対義語
有名な対義語として「プロレタリア」があります。
意味は「無産者」「賃金労働者」などです。
ラテン語の「proletarius」に由来し、古代ローマでは最下層の人々を示す言葉でした。
第一次世界大戦後の日本でも過酷な環境で働く労働者を描いたプロレタリア文学が流行りました。
小林多喜二の『蟹工船』などはよく知られた作品ではないでしょうか。
「ブルジョア」の歴史
元来「ブルジョア」は都会の商工業者や自営業、住民などを指す言葉でした。
起源は11世紀・中世ヨーロッパにさかのぼります。
当時の封建制度を逃れた人々、つまり「都市(bours)の市民」のことで下層階級と上流階級のあいだの人々として認識されていたようです。
時代は下りフランス革命や産業革命を経て、市民の権利や地位が段々と向上します。
その中から資本を有するものが現れはじめ、市民も使用者と労働者に二分していきました。
やがて使用者、資産家の側が「ブルジョア」と呼ばれだし現在まで脈々とつづく使われ方に至ったのでしょう。