年上の人間が、自分の経験から若い人たちへの心配をすることです。
語源としては字の通り年老いた女性が必要以上にお世話をするところからきています。
現在はそこから派生して、女性ではなくても若い人たちへの心配な気持ち、お世話をしたい気持ちをへりくだった形であらわす言葉になっています。
年下から年上の人に向かって使うことは誤用です。
「老婆心」の意味
目上の人間が、目下の人間を心配して助言したりお世話をしたりする気持ちを表す言葉です。
表現としては少しへりくだったものになります。
「余計なお世話かもしれませんが」か、「必要ないかもしれませんが」という意味合いが含まれていることが多いです。
この言葉は、目下の人間が目上の人間に使うことは失礼にあたります。
「老婆心」老婆心の使い方
目下の人間に使うことが多いですが、目下といっても全くの新人に使うことはほとんどありません。
どちらかというと、その仕事を一人でできるようになってきた立場の人に向かって使うことが多いです。
その仕事を長年やってきたベテランが自分なりにこなしている中堅の人に対して、アドバイスをしたいときに「老婆心ながらお伝えしたいのですが」とした手に出るような形で使います。
「老婆心」の例文
「老婆心ながらお伝えしたいと思います」「この注意は老婆心からくるものなので…」「老婆心からくるアドバイスはありがた迷惑だ」「老婆心から言ってくれているのかもしれないけど」「その姿に老婆心がうずいた」「老婆心から伝えたが、迷惑だったかもしれない」「我慢できずに老婆心からいろいろとおせわをしてしまった」
「老婆心」とは
昨今、縦のつながりが希薄になってきています。
若い人たちは目上の人たちからのコミュニケーションを煩わしいと思っていることも多いようです。
そんな中、「老婆心」からのアドバイスはこちらが思っているよりも煩わしいものなのかもしれません。
それでも、「老婆心」とへりくだった上での言葉は、聞くに値するものだと思います。