人種は「生物学的な観点から人間を分類した概念のこと」。
生物学的な面ということで、生まれつきの部分で判断をしているということになります。
民族は「文化的な観点から人間を分類した概念のこと」。
人間の活動実態などを基準にして判断しているということになり、こちらの判断基準は生まれつきの部分ではないということが言えます。
「民族」の意味
民族というのは、生物学的な観点から人間を分類しており、例えば肌の色などを基準にしています。
人種という言葉は一般的には肌の色をもとに区別されることも多く、肌の色は生まれつきの部分であり、基本的に変えようがないものであるので、先天的な基準から分類をしているのです。
人種というのはほぼ固定されてしまうということが言えます。
「民族」の意味
民族というのは、それぞれの人間の文化的な側面に注目をして、そこから分類をしたものになります。
基本的に後天的な要素から判断をしているので、民族というのは自分の意思で変更をすることも可能と言えます。
つまり、特定の民族に属していた人が、その後別の民族の人間になるということが現実的にありえるということになるのです。
「人種」と「民族」の用法や用例
「日本人はいわゆる黄色人種と言われている。
世界的に見たら数が多いわけではないが、日本人からすると黄色人種の人たちが最も親近感がわくのではないだろうか。」
「世界中にはいろいろな民族がいる。
それぞれで生活様式なども違っていて、それはそれぞれの民族のこれまでの歴史や伝統にも関係している。
人間の在り方というのは非常に多様になっているというのが、民族を観察すると分かりやすい。」
人種と民族は分類の仕方そのものが差になる
人種という概念は生物学的な見地から分類がされており、民族は文化的な側面から分類がされているので、先天的な要素と後天的な要素という違いがあります。
そこが人種と民族の大きな違いになるのです。
また、人種は自分の意思では変えられませんが、民族は変えようと思えば変えることができるので、そこも両者の違いを示す部分と言えるでしょう。