「錦絵」と「浮世絵」の違い・意味と使い方・由来や例文

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錦絵は「版木による多色刷りの絵のこと」。

「多彩版画」と言い換えると分かりやすい。

浮世絵は「世の中のあこがれの対象を描いた絵のこと」。

「風俗画」と言い換えると分かりやすい。

「錦絵」も「浮世絵」と同じようなものですが、版画だけしかないと言う意味で「浮世絵」の範疇に入るものになります。

役者絵や花鳥風月などを描いたものです。

「錦絵」は多色版画のこと

「錦絵」は江戸中期(18世紀後半)に確立したもので、版元、絵師、彫師、摺師の四者の分業体制で作られた多色刷りの版画のことです。

画題は浮世絵と同じですが、版木で作られた版画になります。

「浮世絵」は肉筆画や初期には墨一色のものもあったため、区別するために「錦絵」と言ったかも知れません。

版画であるために綺麗なものでも大量に造られ、庶民の間で大人気になりました。

「浮世絵」は「錦絵」と同義

「浮世絵」は初期には「墨摺絵」と言われ、墨だけのものでした。

後に、それに筆で色付けした「丹絵」「紅絵」「漆絵」ができていました。

しかし、「錦絵」の誕生とともに「浮世絵」も多色の版画となり、「錦絵」と同義になりました。

画題は「美人画、歌舞伎役者、武者、風景、名所、花鳥風月」などとなっています。

葛飾北斎や菱川師宣、北川歌麿、歌川広重など多くの絵師が存在しました。

「錦絵」や「浮世絵」の版元とは

「版元」は「絵」の販売を行った出版元のことです。

数多くの「版元」の中でも、有名な絵師を抱えていた「版元」も多くありました。

初期の代表的な「版元」に歌麿や広重を扱った和泉屋市兵衛がいます。

また、北斎を扱った伊勢屋利平、西村屋祐蔵、東海道五十三次に関わった有田屋清右衛門、蔦屋吉蔵などもいました。

また、絵師を輩出した版元も多くいました。

「錦絵」と「浮世絵」とは

「浮世絵」が先に存在していました。

初期のものは墨摺りで、後から色を書き込んでいました。

「錦絵」の誕生は版画をカラーにしたのです。

当時、高価な「大和絵」などと同じぐらい綺麗な「錦絵」は大評判になったのです。

大量に出来るため価格も安く手に入りました。

「浮世絵」も多色刷りに移行したため、「錦絵」との差がなくなりました。

現在では「錦絵」は「浮世絵」の範疇に入るものとされます。

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