「草摘み」は、春先、野原に出て「ヨメナ」「セリ」「ヨモギ」などの草を摘んで楽しむことです。
英語では「gathering young herbs」で表されます。
「摘み草」は、春の野に出て若菜や若草・花を摘むことです。
英語では以下のように表されます。
「野に摘み草に行った」は「We went to gather herbs in the fields. 」です。
herb
以下のような意味です。
①「香料・食用植物」「ハーブ」です。
②田園生活の象徴である「草」「草木」です。
「このハーブは料理の風味と香りを高めてくれる」は「This herb will enhance the flavor and aroma of food. 」です。
「草摘み」の意味
「草摘み」は、春先、野原に出て「ヨメナ」「セリ」「ヨモギ」などの草を摘んで楽しむことです。
「草摘みに出かけました」のように使います。
<春の七草>
「芹・せり」「なずな」「ごぎょう」「はこべら」「仏の座」「すずな」「すずしろ」です。
「すずな」は蕪、「すずしろ」は大根のことです。
正月の七日に、これらの草を摘んで刻み、餅や粥と食すと万病を防ぐと云われました。
延期年間(10世紀ごろ)から朝廷で儀式化し今日まで伝えられました。
「摘み草」の意味
「摘み草」は、春の野に出て若菜や若草・花を摘むことです。
今では遊びとして行われますが、かつては副食物を採取する年中行事的なものでした。
現在でも、地方の山菜採りなど古制に従って行われています。
万葉集などにも「摘み草」を題材とした和歌が見えます。
俳諧では春の季語です。
「野原で摘み草する」のように使います。
<若菜>
①初春に生えた食用になる菜のことです。
古今和歌集(春上)に「春日野の飛ぶ火の野守出でて見よ今幾日ありて若菜摘みてむ」とあります。
②正月の初めの子の日に吸い物として食べる新菜のことです。
宮中では内膳司から天皇に奉りました。
邪気を除くと云われます。
<草摘みの草>
「ヨメナ」は、キク科の多年草です。
山野・路傍に自生します。
初秋に薄紫の頭状花を開きます。
若葉は食用です。
「ヨメハギ」「ヨメガハギ」「ウハギ」「オハギ」「ノギク」ともいいます。
「嫁菜の花」は秋の季語です。
「セリ」はセリ科の多年草です。
田の畦・湿地に自生します。
また、水田で野菜として栽培される場合もあります。
夏、花茎をのばして白い小花をつけます。
若菜は香りがよく食用です。
春の七草の一つです。
万葉集(20)に「かにはの田居に芹そ摘みける」とあります。
「ヨモギ」は、キク科の多年草です。
山野に自生しています。
若菜には香気があり餅に入れて草餅を作ります。
成長した葉は灸の艾(もぐさ)とします。
「草摘み」は、 春先野原に出て「ヨメナ」「セリ」「ヨモギ」などの草を摘んで楽しむこと、「摘み草」は 春の野に出て若菜や若草・花を摘むことです。
「草摘み」「摘み草」は、類語です。
共通する意味は「春の野原に出て草をつむこと」です。
「草摘み」と「摘み草」の両語は、同じように使われます。
食用の草をつむ時、多くの場合「摘み草」と云います。
<摘の漢字>
字義は「つむ・とる」「指さす」「あばく」「乱す」です。
解字では、「手+?」で構成されます。
「?・てき」の部分は「中心に寄せ集める」を表します。
これらにより「五本の指先を中心に集めて、果物の実などをつまみとること」を表し「つむ・とる」を意味します。