緩は「ゆるやかなこと」「緩行」と言い換えると分かりやすい。
慢は「怠けること、おごること、ゆるやかなこと」。
「慢性」と言い換えると分かりやすい。
「緩」と「慢」は似ていないようですが、「ゆるやか」という共通の意味を持つ漢字です。
どちらについても反対の言葉は「急」があります。
「緩行・急行」「慢性・急性」と使います。
「緩」は緩いこと
「緩」は「ゆるい状態」を言います。
「動きに緩急をつけると良い」「緩慢な動きをする」「筋肉が弛緩する」「中央総武線の緩行電車もある」「規制の緩和措置が取られた」「緩々(ゆるゆる)な紐」「寒さがやっと緩んできた」「緩勾配の坂道は坂道なのか分からない」「力士には緩褌(ゆるふん)で土俵に上がる者もいる」などと使います。
「慢」はゆっくりしたこと
「慢」は「怠けること、おごっていること」などの意味の他、「ゆるいこと」という意味もあります。
「傲慢な人だ」「自慢ばかりしている」「怠慢なことだ」「ここは我慢の為所だ」「仏教の煩悩の一つに慢がある」と使います。
「病気が慢性化しては大変だ」「緩慢な動作を繰り返す」など「ゆっくりしていること」にも使われます。
「緩慢」は「ゆったりしていること」
「緩慢」は「緩」と「慢」の合成熟語です。
「緩慢な動き」「緩慢な大河の流れ」「緩慢な対応」などと使い、動作や対応の遅さなどに使われ、批判的な場合に使われる言葉になります。
「緩慢は遅く生ぬるい対応の時に使う」「緩慢の対義語は俊敏という」「緩慢の英語はSLOW」「緩慢加熱・急速冷凍という言葉もある」などと使います。
「緩」と「慢」とは
「緩」は「ゆるいこと」で「急」の反対の意味になります。
「各駅停車は緩行という」「高齢者は緩慢な動きになる」「筋肉弛緩剤による殺人事件」「緩急のあるダンス」「緩和措置が取られた」「緩々の紐」「寒さが緩む」などと使い、「慢」は「ゆるやか」という意味もあり「病気を繰り返し慢性化してしまった」「自慢話もいい加減にしてほしい」「傲慢な態度の人」と使います。