貫は「つらぬくこと」。
「貫通」と言い換えると分かりやすい。
抜は「ぬきとること」。
「抜粋」と言い換えると分かりやすい。
「貫」と「抜」は「ぬく」と読むことで共通しています。
意味合いは異なりますが、読みは「カンとバツ」で違いますが、似通った意味の「異音近意文字」になります。
「貫通」「抜粋」などと使います。
「貫」は貫き通すこと
「貫」は語源では「紐に通した銭」のことです。
貨幣の「貝」と貫く意の「?」とからできていますから「貫き通す」意味になりました。
「トンネルの貫通式」「納期が無いので突貫工事となる」「一貫生産体制を取っている」「氷一貫目」「日本刀の柄にある目貫」「初志貫徹で行う」「貫禄がある」「東北縦貫道路を飛ばした」などと使います。
「抜」は「引き抜く」こと
「抜」は語源では「手で引き出すこと」です。
同じ「ぬく」でも「貫く」ではなく「抜き取る」の「抜く」となります。
「選抜高校野球・抜粋文・抜刀術・卓抜な能力・海抜0メートル地帯・奇抜なアイデア・抜け駆けはダメ・抜き打ち検査があった・若い人を抜擢する・抜群の成績・抜本的改革をする・抜歯は痛い・手術後の抜糸」などがあります。
「貫」と「抜」の「ぬく」は違う意味
「貫」は「つらぬく」という「貫く」です。
「抜」は「抜き取る」の「抜く」で「ぬく」意味に違いがあります。
「ぬく」は「中に入っているものを取り去る」意味があり、「貫く」もトンネルのように中の土砂などを取り去ることです。
「抜く」も「ワインの栓を抜く」「毛を抜く」「刀を抜く」など「詰まっているものを抜き取る」という意味で少しは共通点があるのです。
「貫」と「抜」とは
「貫」は「貫き通す」という意味が強い言葉です。
語源は紐を突き通したお金のことを意味しました。
「貫く」は「中身のあるものの中を通すこと」ですから「抜く」と意味は基本的に近いのです。
「抜く」は「中身のあるものから抜き取ること」です。
「貫く」は「入れてその先に出すこと」、「抜く」は「出すこと」と定義できるかも知れません。