尊いは「尊敬するものや人のこと」。
「気高い」「やんごとない」「崇高」「神聖」と言い換えると分かりやすい。
貴いは「身分の高い人のことや希少価値があること」。
「貴重」「貴人」「高貴」と言い換えると分かりやすい。
尊いは神様、仏様、敬うべき人などに使い、貴いは身分が高い人や数が少なく希少価値があるものに使います。
「尊い」は尊敬することです
「尊い」とは神仏は神聖なものであるという感情のことです。
「尊」は手(寸)で酒樽を神に捧げる意味で、転じて「敬う」「尊ぶ」という意味になりました。
熟語は沢山あり、例えば「釈尊」「独尊」「尊称」「尊影」「尊顔」「尊属」「尊重」「尊王攘夷」「尊名」「尊父」「尊敬」など神仏や目上の人に関わるものにつきます。
「貴い」は身分が高いことや希少価値があることです
「貴い」の「貴」は「貝」からきていて、昔貨幣の代わりに使われていたように価値のあるものでしたから、転じて「貴い」意味となりました。
熟語には身分が高いことや目上の人に使う意味では「貴下」「貴君」「貴殿」「高貴」「富貴」「貴方」「貴兄」「貴族」「貴紳」「貴婦人」「貴賤」「貴公」などがあり、希少価値がある意味では「貴重品」「貴金属」などがあります。
聖徳太子の尊称がある厩の皇子は十七条憲法に「和を以て貴しとなす」を引用した
聖徳太子が十七条憲法の第一条に挙げました「和を以て貴しとなす」は論語から引用された文言です。
この場合の「貴い」は大事なこと大切なことの意味として使われています。
聖徳太子は「尊い」人であると民衆から敬われていたので尊称で呼ばれたのかも知れません。
慣れ親しんだ聖徳太子ですが、現在の教科書は厩の皇子というほうが正しいとされつつあります。
「尊い」は「貴い」も主に目下の人が目上の人に使う言葉です
「尊い」には神や仏という信仰の対象に抱く「敬う」という尊敬の念、畏怖の念があります。
仏様を敬うため「釈尊」と呼ぶこともあります。
また、目上の人に関するものにも「尊」を付けて使用します。
「ご尊家」「ご尊顔」「ご尊父」「ご尊名」などがあります。
「貴い」は社会的に身分位が高い人や目上の人に対する言葉として使い「貴下」「貴兄」「貴婦人」などがあり、また、価値がある意味で「貴重品」「貴金属」があります。
どちらも同義に使われます場合が多いです。