忍ぶは「我慢をすること、人目を避けること」「遠慮」と言い換えると分かりやすい。
偲ぶは「昔のことを思い起こすこと」。
「回想」と言い換えると分かりやすい。
「忍」は「耐えること、我慢すること」などの意味があります。
「偲」は「懐かしく昔を思い出す」ことです。
「忍ぶ」と「偲ぶ」は「しのぶ」という同音意義語になります。
「忍ぶ」は我慢すること
「忍ぶ」は「我慢をすること、一目を憚ること、耐えること」などの意味になります。
「忍ぶとは何か奥ゆかしいイメージがある言葉だ」「ここは耐え忍ぶことが大切だ」「人目を避けて、山村で世を忍んだ生活をしている」「忍びの術」「忍者」「九ノ一忍法」「忍べば忍ほどストレスが募る」「忍んでばかりでは辛い」「『忍ぶれど色にでにけり我が恋は』などと詠われた」と使います。
「偲ぶ」は回想すること
「偲ぶ」は「過ぎ去った昔のことを懐かしく思い起こすこと」です。
「昔を偲んで回想録を著わそうと考えている」「時々、昔の片思いの女性は今どうしているのかと偲んだ」「近いうちに葬式に代わる『亡き人を偲ぶ会』が開かれる」「かつての勢いが偲ばれる豪勢な建物」「別れた彼氏を偲んでいたら、電話が架かってきた」などと使います。
「忍ぶ」と「偲ぶ」は同音異義語で似た感情
「忍ぶ」と「偲ぶ」は「しのぶ」という同音異義語ですが意味は違います。
どちらも何か奥ゆかしさを感じる言葉です。
「耐えること」と「思い出すこと」の違いはあっても、どちらも一歩引いた言葉に感じます。
「忍ぶゆかしさ」と「偲ぶなつかしさ」が何か似ているように思えます。
特に男女関係で使われるとそのように感じます。
「忍ぶ」と「偲ぶ」とは
「忍ぶ」は我慢すること、耐えること、人目を憚ること、感情を抑えることなどの意味になります。
「忍ぶ恋は片思いのこと」「歌に夜霧の忍び合いがある」「盗人が留守宅に忍びこむ」「ずっと世を忍ぶ生活」「観光地にいる忍びの者」「今は世を忍ぶ仮の姿だ」「お忍びで外出」などと使います。
「偲ぶ」は昔を思いだすことです。
「偲ぶ会」「亡き人を偲ぶ」と使います。