「刺す」と「突く」の違い・意味と使い方・由来や例文

B!

「刺す」は、ねらいを定めた所に、細くとがったものを直接的につきとおすことです。

英語では「pierce」「stab」「prick」「sting」で表されます。

「突き刺す」という意味の場合「pierce」「stab」を使います。

「針で刺す」という意味の場合「prick」です。

「指にとげを刺した」は「I ran a thorn into my finger.」です。

「突く」は、棒などの先端を強く当て押すこと、また、貫くことです。

英語では「prick」「stab」「gore」で表されます。

「とがったもので突く」という意味の場合「prick」を使います。

「刃物で突く」という意味の場合「stab」です。

「牙・角で突く」という意味の場合「gore」です。

「わき腹をつかれて息が詰まった」は「I was hit so hard in the ribs that I gasped.」です。

「刺す」の意味

「刺す」は、以下のような意味です。

1.ねらいを定めた所に、細くとがったものを直接的につきとおすことです。

①突き通すことです。

万葉集(20)に「群玉の枢(くる)に釘刺し固めとし」とあります。

②刃物で人をついて殺傷することです。

平家物語(11)に「影経が鎧の草摺ひきあげて二刀刺す」とあります。

④針で結びつけることです。

万葉集(16)に「から国の虎という神生け捕りに八頭取り持ち来その皮を畳に刺し」とあります。

など

2.あるものを他のものにさしはさむことです。

①帯の間にさしはさむことです。

帯びることです。

脇挟むことです。

②髪の間に入れることです。

「かんざしをさす」のように使います。

など

以下のように使います。

ナイフで胸を刺す 蜂に刺される 針で指を刺す
魚を串に刺す バラのとげを刺す

「突く」の意味

「突く」は、以下のような意味です。

全体的には、棒などの先端を強くあてて押すことです。

また、貫くことです。

①一気に当てて通すことです。

棒状のものの先で、向こうに強い力を加えることです。

万葉集(19)に「鮪(しび)つくと海人のともせる漁火の」とあります。

②支えにすることです。

万葉集(3)に「杖つきもつかずも行きて」とあります。

③地面や床に触れることです。

源氏物語(藤裏葉)に「御階のひだり右の膝をつきて奏す」とあります。

④ぬかずくこと、礼拝することです。

源氏物語(総角)に「常不軽をなむつかせ侍る」とあります。

⑤目標を一点に定め激しく攻撃することです。

⑥感情や感覚を強く刺激することです。

⑦物ともせずに進むことです。

⑧細長いものの先で打ったり押したりすることです。

強く打ち当て押しやることです。

源氏物語(末摘花)に「鐘つきて閉ぢめむ事はさすがにて」とあります。

⑨とっさにすることです。

「口をついて出る」のように使います。

⑩相場や景気がこれ以上悪くなりようがない状態にまで下がることです。

「相場が底をつく」のように使います。

⑪将棋の盤上で、「歩」を前方に進めることです。

「突く」は、「衝く」とも書きます。

「鐘をつく」の場合は「撞く」と書きます。

以下のように使います。

槍で突く 棒の先で突く 針で指を突く ひじで背中を突く

<関連語>

「突つく・つつく」は、
細い棒状のものや指などで軽く小刻みにつくことをいいます。

また、そのようにして食べることも言います。

「つっつく」ともいいます。

「背中をつついて注意する」「鍋をつつく」のように使います。

比喩的に欠点や弱点をことさらに取り上げて問題にしたり、あれこれけしかけたりするときにも使います。

「発表の内容をつつかれる」「みんなからつつかれて候補した」のように使います。

「刺す」は、 ねらいを定めた所に、細くとがったものを直接的につきとおすこと、「突く」は、 棒などの先端を強く当て押すこと、また、貫くことです。

「刺す」「突く」は、類語です。

「突つく・つつく」は、これらの言葉の関連語です。

共通する意味は「先の鋭くとがったものなどを対象に入るこませること」です。

「刺す」は、鋭くとがったものを表面から中に入り込ませることをいいます。

「突く」は、棒状の物や、先の鋭い物を勢いよく何かに押し当てて強い衝撃を与えることです。

必ずしも中に入り込ませる必要はありません。

「突く」は、「杖を突く」のように「細長いものを押し立てて支えとする」という意味もあります。

また、比喩的に「雨をついて走る」「鼻をつく悪臭」「軍勢の背後をつく」のように、「障害をものともせずに行う」「刺激する」「鋭く攻める」などの意味でも用いられます。

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