「汎論・はんろん」と「総論」と「概論」の違い・意味と使い方・由来や例文

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「汎論・はんろん」は、全体を総括した論のことです。

英語では「general remarks」「an outline」「an introduction」で表されます。

「日本文法汎論」は「an introduction to Japanese grammar」です。

「総論」は、全体を総括して大要を述べた論のことです。

英語では以下のように表されます。

「総論から各論へと話を進めた」は「He proceeded from the general to the particular」
「He proceeded from the generalities to the particulars.」です。

「概論」は、全体にわたって大要を述べたものです。

英語では「an outline」「an introduction」で表されます。

「概説」という意味の場合「an outline」を使います。

「入門」という意味の場合「an introduction」です。

「インド哲学概論」は「an introduction to Indian philosophy」です。

「汎論・はんろん」の意味

「汎論・はんろん」は、以下のような意味です。

①一般に通じた議論です。

②概括した論のことです。

全体を総括した論のことです。

広く全体にわたって論じることです。

「総論」「通論」のことです。

以下のように使います。

仏教について汎論する 民俗学汎論

<汎の漢字>
字義は「うかぶ・うかべる」「ただよう」「ひろい」「軽い」「速い」です。

解字では、「水+凡」で構成されます。

「凡」の部分は「風」を表します。

これにより「風のように軽く浮く」「風のように広がる」を表します。

「総論」の意味

「総論」は、全体を総括して大要を述べた論のことです。

また、その文章です。

多くの場合巻頭に置きます。

反対語は「各論」です。

「総論賛成、各論反対」のように使います。

<関連語>
「略説」は、要点だけを簡単に論ずることです。

「東洋史の略説を読む」のように使います。

「各論」は、おのおのの事柄についての論・論述です。

「概論」の意味

「概論」は、全体にわたって大要を述べたものです。

全体を要約して、あらましを述べることです。

その論です。

以下のように使います。

哲学概論 国文法概論

<概の漢字>
字義は「あらまし」「おもむき・様子」「とかき・枡かき・枡ではかる時、上方を平らにならす棒」「はかる」「なげく・悲しむ」
「みさお・貞節」「あらう・そそぐ」です。

解字では、「木+既」で構成されます。

「既」の部分は「容器一杯になった物が外にあふれ出る」を表します。

これにより「米を枡に入れ、上に盛り上がった米をならして外にあふれさせる棒」を表し、転じて、「ならしてみたところ」「おおむね」を意味します。

「汎論・はんろん」は 全体を総括した論、「総論」は 全体を総括して大要を述べた論、「概論」は、 全体にわたって大要を述べたものです。

「汎論・はんろん」「総論」「概論」「通論」「総論」「概論」は、類語です。

「略説」「各論」は、これらの言葉の関連語です。

共通する意味は「ある事柄や分野について、広く全体を通して論じること、また、論じたもの」です。

「総論」は、「総論賛成、各論反対(全体としては賛成であるが、各項目には反対の場合もある)」のように日常の中でも使われる場合があります。

「通論」は、世間一般に通用している意見という意味です。

「これは世の通論になっている」のように使います。

「総論」「概論」は、いずれも、全体を通して論じることで、個別の内容には深く言及せず、大概・概要をまとめて述べることです。

「言語学概論」「生物学総論」のように、講義や学術書の題名にも多く用いられます。

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