「憂愁・ゆうしゅう」と「憂鬱・ゆううつ」と「沈鬱」の違い・意味と使い方・由来や例文

B!

「憂愁・ゆうしゅう」は、心配や悲しみで心が沈むことです。

英語では「melancholy」「gloom」で表されます。

「一家は憂愁に閉ざされていた」は「An atmosphere of gloom settled over the family.」「The whole family was in a melancholy mood.」です。

「憂鬱・ゆううつ」は、気が晴れ晴れとしないことです。

英語では「depression」「gloom」で表されます。

「その知らせを聞いて憂鬱になった」は「The news made me dejected.」「The news gave me the blues」です。

「沈鬱」は、気分がふさぎ込むことです。

英語では「melancholy」で表されます。

「沈鬱な顔色」は「a gloomy expression」です。

「沈鬱な表情」は「a depressed look」「a melancholy look」です。

「憂愁・ゆうしゅう」の意味

「憂愁・ゆうしゅう」は、心配や悲しみで心が沈むことです。

「うれい」「憂鬱」「哀愁」のことです。

以下のように使います。

顔に憂愁の色が浮かぶ 憂愁にとざされる

<憂・愁の漢字>
「憂」
字義は「うれえる」「うれい」「穏やかに行われる」です。

解字では、「夊+頁+心」で構成されます。

「頁+心」の部分は「うれえる」を表します。

「夊」の部分を付して「頁+心」の文字の代わりに用います。

「優」に通じ、「しとやかに行われる」を表します。

「愁」
字義は「うれえる」「うれい」「さびしい」です。

解字では、「心+秋」で構成されます。

「秋」の部分は「かぼそい鳴き声」の擬声音を表します。

これにより「心が悲しくなる・泣きたくなる」を表し「うれえる」を意味します。

「憂鬱・ゆううつ」の意味

「憂鬱・ゆううつ」は、気が晴れ晴れとしないことです。

気がふさぐことです。

以下のように使います。

憂鬱な天気 雑事が多く憂鬱になる
憂鬱な気分

<鬱の漢字>
字義は「しげる」「さかんなさま」「むす・蒸す」「ふさがる」「くさい・腐敗した」「香草」「にわうめ・ゆすらうめに似た果樹」です。

解字に於いて、金文では、「柱と柱の間で香草をから臼でついている形」にかたどります。

これにより「たちこめる香気」を表し、「むす」「むすぼれる」を意味します。

「沈鬱」の意味

「沈鬱」は、気分がふさぎ込むことです。

以下のように使います。

沈鬱な空気が満ちる 沈鬱な顔色
沈鬱な表情

<関連語>
「メランコリー」は、理由もなく気分が重苦しくなってふさぐことです。

「メランコリーな気分」のように使います。

「鬱・うつ」は、気がふさぐことです。

また、そうした精神状態を指します。

「気分が鬱になる」「鬱状態」のように使います。

反対語は「躁・そう」です。

「憂愁・ゆうしゅう」は 心配や悲しみで心が沈むこと、「憂鬱・ゆううつ」は 気が晴れ晴れとしないこと、「沈鬱」は、 気分がふさぎ込むことです。

「憂愁・ゆうしゅう」「憂鬱・ゆううつ」「沈鬱」は、類語です。

「メランコリー」「鬱・うつ」は、これらの言葉の関連語です。

共通する意味は「気が晴れないこと」です。

「憂愁・ゆうしゅう」と「憂鬱・ゆううつ」は、気分が晴れず沈んだ状態です。

しかし、それにより病気になったり、泣いたりする動作・行為をともなったりしません。

「沈鬱」は、そのような気分になるための具体的なきっかけがあります。

それにより受ける心の衝撃や、結果として現れる症状・動作も深刻です。

最新の記事はこちらから