「仲裁」と「調停」と「取り成す」の違い・意味と使い方・由来や例文

B!

「仲裁」は、争いの間に入って双方を和解させることです。

英語では以下のように表します。

「調停」の意味の場合「arbitration」「mediation」で表されます。

「介入」の意味の場合「intervention」です。

「調停」は、当事者双方の間に、第三者が介入して争いをやめさせることです。

英語では「arbitration」「mediation」で表されます。

「調停を申し出る」は「offer to mediate」です。

「取り成す」は、対立するものを仲直りさせることです。

英語では「intercede」「mediate between」で表されます。

「仲裁」の意味

「仲裁」は、争いの間に入って双方を和解させることです。

仲直りの取り持ちをいいます。

法律的には、当事者を直ちに拘束する点が、当事者の承諾を得て拘束する「調停」と異なります。

以下のように使います。

兄弟げんかの仲裁をする 争いを仲裁する
仲裁役 仲裁裁定 仲裁裁判 仲裁判断

<仲裁委員会>

労働委員会による労働争議の仲裁を行う機関のことです。

労働関係調整法の仲裁委員会は、労働委員会の公益を代表する委員、または、特別調整委員の中から関係当事者の合意のもと、労働委員会会長の指名を受けた3人の仲裁委員により構成されます。

(労働関係調整法31条・31条の2)

「調停」の意味

「調停」は、以下のような意味です。

1.当事者双方の間に、第三者が介入して争いをやめさせることです。

2.法律に於いて、裁判所や他の機関が中に立って、当事者の互譲によって紛争を円満に和解させることです。

「仲裁」と異なり、解決案は当事者の承諾を待って効力を発揮します。

①紛争当事者の間に入って、双方の譲歩を引き出し、合意に基づく和解に導くことです。

民事調停・家庭調停などがあります。

②労働争議に於いて解決が難しいとき、調停委員会が双方の承諾を得て解決に導くことです。

以下のように使います。

調停に応じる 争いを調停する
離婚調停 調停案 調停委員 調停工作

「取り成す」の意味

「取り成す」は、以下のような意味です。

①ある物の姿を変えて別のものにすることです。

古事記(上)に「斎(ゆ)つ爪櫛にその童女を取り成して」とあります。

②ある物を別のものとして扱うことです。

「~のような格好にする」という意味です。

今昔物語(23)に「太刀を鉾のように取り成して」とあります。

③うまく扱うことです。

うまく処理することです。

「取り繕う」ことです。

源氏物語(葵)に「かの御形見になるべきものなど、わざとならぬさまに取り成しつつ」とあります。

④「みなす」「判断する」「理解する」という意味です。

源氏物語(東屋)に「ひがひがしくねぢけたるように取り成す人もあらむ」とあります。

⑤仲裁することです。

仲直りさせることです。

また、なだめて機嫌よくさせることです。

気まずい雰囲気をうまく取り繕うことです。

⑥取り持つことです。

「仲介」のことです。

以下のように使います。

部長と課長の仲を取りなす 上司が取りなしてくれた
うまくその場を取りなす 座を取り成す 取引先を取り成す

「仲裁」 は争いの間に入って双方を和解させること、「調停」は、当事者の間に、第三者が介入して争いをやめさせること、「取り成す」は、 対立するものを仲直りさせること
「仲裁」「調停」「取り成す」は、類語です。

共通する意味は「対立する両者の中に立って仲直りさせること」です。

「仲裁」は、日常よく用いられます。

労働争議に於いて、「仲裁」は、当事者双方を最終的に拘束する裁定を下すことをいいます。

一方、「調停」は、当事者同士の合意の上で円満に和解させることをいいます。

「取り成す」は、間に入ってその場をうまくまとめたり、その関係を良好なものにしたりします。

やや古めかしい言い方です。

最新の記事はこちらから