自主退学勧告と退学処分の大きな違いは、「勧告」と強制的な「処分」、そして、それらが与える重みになります。
「自主退学勧告」は、学校側が何らかの理由でその生徒に自主退学を勧めることを指します。
一方、「退学処分」はある生徒が生徒指導上の問題を起こした場合に、学校側が強制的な形で退学をさせるというものです。
自主退学勧告を受け入れなかった場合、ほとんどの場合は退学処分という厳しい形での対応となります。
また、退学処分に発展すると今後の進路選択に影響を与えてしまいます。
「自主退学勧告」の意味
「自主退学勧告」とは、ある生徒が所属する学校に残ることができないと判断されたときに、学校側がその生徒に自主退学を勧めることです。
病気や不登校による長期欠席や、生徒としてあるまじき問題行動を起こした場合などに勧告されます。
この場合は、最終的にその生徒が勧告を受け入れた場合、自己都合という形で退学となり、記録上残らないことが多いです。
そのため、今後の生活を考えたときに勧告を受け入れることが多いのが現状です。
「退学処分」の意味
「退学処分」とは、学校側でこれ以上問題行動などを起こした生徒を在籍させることができないと判断したときに、強制的な形で学校を去ってもらう措置を指します。
飲酒・喫煙、度重なる暴力行為などによって、その学校の信用・信頼を大きく損なわせた場合に出されることが多く、記録としても残る処分であり、学校が生徒に下す処分としては一番重いものとなります。
基本的には「自主退学勧告」で決断をする
「自主退学勧告」には強制的な力が働かないため、生徒側が受け入れないということもできます。
しかし、自主退学勧告はもはや学校として最後の譲歩というものであり、記録に傷がつかないよう最大限の配慮をした結果の勧告なのです。
そのため、受け入れなかった場合は、学校として「退学処分」を下すというのが一般的な流れとなっています。
なお、退学処分は、学校長が行う「懲戒処分」の一種であり、強制的な拘束力を持つことになります。
「自主退学勧告」より「退学処分」が重い
学校側としては、懲戒処分の一つである「退学処分」を行うということはそれなりの覚悟が必要となります。
処分を下された生徒やその家族も、できれば「退学処分」という形で出されるよりも穏便に、平和に事を解決させたいという気持ちが働きます。
そのせいもあって、学校側では最後の温情的な形として「自主退学勧告」を出し、それがだめなら「退学処分」という流れが多くみられます。
いずれにしても、自主退学勧告とは、すなわちその学校にはこれ以上在籍することができないというものとなります。
それを拒めば、結局退学処分を下されてしまいます。