「午前12時」と「午後0時」の意味と使い方・由来や例文

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午前12時は正午のことです。

午前11時の1時間後と憶えれば間違えません。

法令で正午のことと規定されています。

この為「午前12時」は正式な呼び方とも言えるのですが、一方で新聞、放送をはじめ実社会ではあまり使われません。

午後0時も同じく正午のことです。

午後1時の1時間前と憶えれば間違えません。

「午後0時」という表現に法的裏付けはありませんが、実際に社会で「正午」の別名としてよく使われるのはこちらの表現です。

「午前12時」の意味

単純に午前11時の1時間後、つまり正午の事です。

明治5年布告の太政官布告第337号に含まれる表に、正午については「午前 十二時 午刻」という記載があり、一方「午後零時」という表記がないため、「午前12時」は正午の公式な別名、とか正式な呼び方と言えるとされています。

その一方、夜中の12時と誤解を生じやすいため新聞や放送では普通は使われず、一般企業等の事務においてもあまり使われません。

いずれも正午の別名としては午後0時が普通です。

ただし、「昼の12時」という言い方は口語において普通に使われています。

なお上で述べた太政官布告というのは、明治初期にあった法律の形式で、現在でも有効とされる数少ない太政官布告の一つが、第337号で、これは太陰暦から太陽暦に暦を改めたことを定めた布告です。

「午後0時」の意味

単純に午後1時の1時間前、つまり正午の事です。

先に述べたように、明治5年布告の太政官布告第337号という現在でも通用していると言われる法の一種に、正午については「午前 十二時 午刻」という記載がある一方「午後零時」という表記がないため、法的な裏づけがあるわけではありません。

ただし、同太政官布告には夜中の12時については「午後十二時」と同時に「午前零時」という言い方も記載されているため、午前0時という呼び方もこの法の当時の元となった考え方からはずれてはいないという推定もできそうです。

実社会では「午前12時」は誤解されやすいため、特に事務的な文章では普通「正午」または「午後0時」が使われます。

「午前12時」より「午後0時」がよく使われる理由

「午前12時」よりもさらに解りにくいのが、「午前12時xx分」という表現です。

例えば午前11時30分の1時間後は単純に11に1を足して、午前12時30分です。

こう考えると午前12時30分は昼間なのですが、夜中と解釈してしまう人も多いのが実情です。

これは昼の12時30分は、午前中ではないのに"午前"12時30分と呼ぶはずはないという考え方に基づいているようです。

すると、午前12時30分は夜中の12時30分だということになるからです。

このようにいずれの解釈にも問題がある(「午後なのに”午前"12時30分と呼ぶ」、「午前11時30分の1時間後なのに、11に1を足すだけにならない」)ので「午前12時xx分」という表現は実際は解釈が人により分かれてしまいます。

またこのためこの言い方自体が間違いで、「午前12時xx分」という言い方は日本語にはないと考える人もいます。

そして午前12時xx分を夜中だと思っている人は、午前12時も夜中の12時と類推する可能性があります。

また「午前12時xx分」という言い方が間違いだと考えている人の中には、同様に「午前12時」という言い方も間違いだと考えがちだと思われます。

このように、意味を誤解されたり、間違った言葉使いだと思われる危険性から、「午前12時」という表現は使わない方が無難と広く考えられているようです。

使えないのに大事にされている?「午前12時」という表現

「午前12時」と「午後0時」、どちらも「正午」という意味ですが、「午前12時」の方が誤解されやすく実際にも比較的使われていません。

特に新聞や放送の業界では使用しないことにほぼ決まっています。

いっそのこと「午前12時」という表現自体を「間違った日本語」だとしてしまった方が、便利で良いようにも思えます。

しかしそうはいかないのは、実際は太政官布告という古い形式ではあっても現在も有効な法律で決まっているため、法改正がない限り間違いだとは言い難いという事情があるからのようです。

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