「交渉」と「折衝」の違い・意味と使い方・使い分け

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「交渉」は、取り決めをするために、相手と話し合うことです。

「適正な値段を交渉する」「交渉が的まとまる」のように使います。

また、「人と人のかかわり」「関わり合い」「関係」のことです。

「没交渉」のように使います。

「折衝」は、利害に一致しない相手とかけ引きをして問題の解決を図ることをいいます。

また、その「かけ引き」のことです。

「予算問題の折衝をする」のように使います。

「交渉」の意味

「交渉」は、相手と取り決めるために話し合うことです。

「かけあい」「談判」と同じです。

「値引き交渉する」「交渉決裂」「団体交渉」「団体交渉権」「予備交渉しておく」「交渉開始」「交渉打ち切り」「交渉の席に着く」
「交渉がまとまった」「交渉不調」「交渉中」「交渉の余地がない」のように使います。

また、人とのかかり合いや関係のことです。

「近所と交渉がない」「交渉を持つ」のように使います。

英語で訳す場合、「Negotiation/ bargaining 」で訳されます。

「折衝」の意味

「折衝」は、「敵の衝いてくる矛先を折る」という意味です。

詩経に、「敵の衝いてくる矛先をくじきとめる」とあります。

この意味から、外交やその他の交渉場面における「談判」や「かけ引き」を指します。

利害の異なる相手と問題を解決するために話し合うことです。

「労使間で折衝を重ねる」「両国間で外交折衝する」「折衝を重ねた結果」のように使います。

英語で訳す場合、「Negotiation /negotiate 」で訳されます。

「交」と「渉」と「折」と「衝」の字義と 解字

「交」の字義(漢字の意味)は、「まじわる」「まじえる」「まじわり」「代わる」「かわす」「かわるがわる」
解字(漢字の解説)に於いて、「交」は象形文字です。

人がすねをくむ形にかたどり「まじわる」の意味を表します。

「渉」の字義(漢字の意味)は、「わたる」「わたり」です
「わたる」という意味の場合、「水上を渡る」「経る・経過する」「歩く」「およぶ」「関係する」「広く見聞きする」という要素が含まれます。

解字(漢字の解説)に於いて、「渉」は「水+歩」で構成されます。

これにより、「水を歩く・わたる」という意味を表します。

「折」の字義(漢字の意味)は、「おる」「くじく」「なじる」「死ぬ」「判断する」「わける」「へる」「差し引く」「北曲・音楽の一節・芝居の一幕」です。

解字(漢字の解説)に於いて、「折」は「?+斤」で構成されます。

「?」の部分は、「屮・左手の象形」を二つ上下に重ねた形を意味しています。

これは、ばらばらになった草木の象形です。

「斤」の部分は、「おの」の象形です。

これにより、「斧で草木をばらばらにくじく」という意味を表します。

「衝」の字義(漢字の意味)は、「つく」「うごく」「むかう」「みち」「戦車」です。

解字(漢字の解説)に於いて、「衝」は「行+重(童)」で構成されます。

「重・童」の部分は、「ドン」という音を表す擬声語です。

これにより、「路上でドンと突き当たる」という意味を表します。

「交渉」は、個人や団体が相手と取り決めるために話し合うこと
「折衝」は、公に利害の食い違う当事者同士が妥協点を見つけようとするために話し合うことです。

「交渉」「談判」「折衝」は類語です。

共通する意味は「ある事柄を取り決めようとして、相手と話し合うこと」です。

以下のように使います。

「交渉を重ねる」「交渉が決裂する」
「談判を重ねる」「談判が決裂する」「ひざ詰め談判」
「折衝を重ねる」「解決には地道な折衝が必要だ」

「交渉」は、個人対個人、個人対団体、団体対団体、国家対国家など一般に広く用いられています。

「談判」は、多くの場合、もめごとの決着をつけるために行います。

したがって、両者の利害が対立します。

喧嘩腰の感が伴うのはこのためです。

「折衝」は、多くの場合、組合対会社、国家対国家など、公の場面で使用されます。

通常、個人については用いません。

利害の食い違う当事者同士が、要求を出し合い妥協点を見つけようとするために話し合う場合に用います。

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