毎年のように、日本に上陸して大きな被害をもたらす自然災害に「台風」があります。
世界には台風に似たようなものとして、「ハリケーン」と「サイクロン」があります。
実は、この3つは基本的には同じ自然現象であり、違うのはたった一つ、「発生する場所」です。
アメリカで発生するのがハリケーンで、サイクロンはインドやオーストラリア近辺に起きます。
台風とは
「台風」は以下のように定義されています。
・中心付近の最大風速が17.2m/s以上である。
・東経100度から東経180度、北半球太平洋の西側に発生する。
当然、日本はこの地域に入っています。
ちなみに、最大風速が17.2m/s未満のものは熱帯低気圧と呼ばれます。
台風の風の向きは常に同じであり、台風の渦が時計周りとは逆の左回りになっています。
ハリケーンとは
「ハリケーン」の定義は以下になります。
・中心付近の最大風速が32.7m/s以上である。
・西経180度(=東経180度)から大西洋までの北半球に発生する。
ハワイを含むアメリカ、メキシコなどがこの地域に入ります。
ハリケーンは他の2つより最大風速が大きくなっています。
なお、最大風速が17.2m/s以上32.7m/s未満のものはトロピカル・ストーム、17.2m/s未満のものはトロピカル・デプレッションと呼ばれます。
サイクロンとは
サイクロンの定義は以下になります。
・中心付近の最大風速が17.2m/s以上である。
・東経100度以西のインド洋または南半球の太平洋に発生する。
インドやバングラデシュ、オーストラリアなどがこの地域に入ります。
なお、サイクロンだけは南半球にできるため、地球の自転の力の影響で、渦が北半球とは逆に時計周りになっています。
場所の違い
台風、ハリケーン、そしてサイクロンは全て熱帯低気圧が大きくなったものであり、同じ自然現象です。
違うのは発生する場所です。
ただ、ハリケーンは最大風速が大きく、サイクロンは渦が時計回りということが異なります。
ちなみに、南半球にある南アメリカ沖は台風が発生しません。
これは、南極からやってくる寒流の影響で海水の温度が上がらず、台風の原因となる暖かい海水にならないからです。