「適量」と「適宜」の違い・意味と使い方・使い分け

B!

「適量」は、適度の量のことです。

「適量の酒を飲む」「適量の調味料を加える」のように使います。

「適宜」は、その場の状態・状況にぴったり合っていることを指します。

「適宜の処分」のように使います。

また、便宜に従うことをいいます。

「随意」という意味です。

「そのへんは適宜でよい」「適宜休みを取りたまへ」のように使います。

「適量」の意味

「適量」は、ちょうどよい分量のことです。

「薬の適量を超すと害が大きい」「適量の酢を加える」のように使います。

「適」の字義(漢字の意味)は、「往く・ゆく」「かなう」などです。

「かなう」という意味の場合、「釣り合う・ほどよい」という要素が含まれます。

「量」の字義(漢字の意味)は、「はかる」です。

上記の字義より、「適量」は、「ほどよくはかる」という意味を表します。

英訳する場合、「Suitable amount/ moderate amount 」で訳します。

「適宜」の意味

「適宜」は、その状況にちょうど適している様を表します。

「適宜に処置する」「適宜に指示を与える」のように使います。

また、その場に応じて、各自が良いように行動する様をいいます。

「手が空いたら、適宜昼食をとるように」「適宜な警告を与えた」「現地で適宜に行動してください」
「適宜に休暇を取ってください」のように使います。

英訳する場合、「Adopt /suitable/ appropriate/ proper 」で訳します。

「適」と「量」と「宜」の字義と解字

「適」の字義(漢字の意味)は、「往く・ゆく」「かなう」「あう」「まさに・ちょうど」などです。

「かなう」という意味の場合、「よい」「うまくあてはまる」「釣り合う・ほどよい」「心のどかに」という要素が含まれます。

解字(漢字の説明)では、「適」は「?+?」で構成されます。

「?」の部分は、「中心の一点に寄る」という意味があります。

「適」は、「ある事柄が、目的とする一点に寄って行く・かなう」という意味を表します。

「量」の字義(漢字の意味)は、「はかる」です。

「はかる」という意味は、「物の重さ」「見積もる」「推し量る」「思う」という要素を含みます。

解字(漢字の説明)では、「量」は象形文字です。

穀物を入れる袋の上に漏斗つけた形にかたどっています。

その象形から「はかる」を意味します。

「宜」の字義(漢字の意味)は、「よろしい」「落ち着く」「むべ・当然である」「よろしく~べし」「さかな」です。

「よろしい」という意味の場合、「筋道にかなっている」「都合がよい」「程よい・適宜」「ふさわしい」という要素が含まれています。

解字(漢字の説明)では、「宜」は象形文字です。

甲骨文や金文では、「まな板の上の肉片」をかたどっています。

この象形から、「調理した鶏・獣・魚などの肉」「さかな」を意味します。

特に、出陣に当たり、儀礼にかなった調理を意味するようになり、転じて「よろしい」の意味を表すようになりました。

「適量」は「ほどよくはかる」という意味
「適宜」は「ある条件・事情・要求などによく当てはまること」です。

「適」の字義(漢字の意味)は、「往く・ゆく」「かなう」などです。

「かなう」という意味の場合、「釣り合う・ほどよい」という要素が含まれます。

「量」の字義(漢字の意味)は、「はかる」です。

上記の字義より、「適量」は、「ほどよくはかる」という意味を表します。

「適当」「適切」「適宜」は類語です。

共通する意味は、「ある条件・事情・要求などによく当てはまること」です。

「適宜」は、その状況にちょうど適している様を表します。

「適宜な措置」のように使います。

「適宜」は、「適当」「適切」ほど一般的に用いられません。

「適宜帰ってよろしい」のように、その場に応じて各自が判断してよい場面で用いられます。

通常は、形容動詞で用いますが、副詞として使われる場合もあります。

最新の記事はこちらから