「おこがましい」の意味と使い方・由来や例文

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「おこがましい」とは、「分不相応な、身の程知らずな言動をする」という意味で日常的にもビジネスシーンでも使われる言葉です。

主に自分の言動に対して使われますが、相手の言動に対しても使われることがあります。

自分の言動を対象とする場合、自分を下に置き、相手を立てるような意味合いになります。

目上の人に意見、反論、依頼するときなどに使われます。

相手の言動を対象とする場合、注意や非難のような否定的な意味合いになります。

「おこがましい」の意味

「おこがましい」とは「身の程を弁えていない、分不相応である、生意気である、出しゃばる」という意味です。

もともとは「をこ」という古語に、「~のようである」という意味の「がましい」がついた形が「おこがましい」という形容詞になりました。

・烏滸がましい
・痴がましい
・尾籠がましい
の三つの漢字表現があります。

また、「おこがましい」には「ばかげている、ばかばかしい」という意味もありますが、現在ではあまり使われていません。

「おこがましい」の由来

・烏滸がましい
昔、中国では騒がしい人たちのことを、川のほとりで騒いでいる烏にたとえて「烏滸がましい」と呼ぶようになりました。

「烏」はカラス
「滸」はほとり、水際
という意味です。

・痴がましい
元は「をこがましい」と表記されていました。

「をこ」は「ばかばかしい、知恵が足りない」という意味です。

「痴」は「愚か」という意味で、仏教用語でも人間の煩悩の根源の一つとされています。

・尾籠がましい
「をこ」に当て字をしたもので、鎌倉時代から使われるようになった言葉です。

「尾籠」とは「無作法、無礼、不敬」などの意味があり、平家物語などの軍記物語にも登場します。

「おこがましい」の類語

「おこがましい」には、「厚かましい」「差し出がましい」「図々しい」などの類語があります。

・厚かましい
「無遠慮なさま、慎みがなく図々しい」という意味です。

遠慮がない意味合いを強く持ちます。

・差し出がましい
「必要以上に出しゃばるさま」という意味です。

自分のみならず、相手の言動に対しても使われる言葉です。

・図々しい
「他人に迷惑をかけても気にせず、自分勝手なさま」という意味です。

自己中心的な意味合いを強く持ちます。

他にも、「小賢しい」「猪口才」「僭越」「恐縮」などたくさんの類語があります。

「おこがましい」のまとめ

かつては「ばかげている」という意味で源氏物語にも登場する言葉でしたが、現在は「身の程知らずな、生意気な」という意味の言葉です。

漢字表記では「烏滸がましい」「痴がましい」「尾籠がましい」の三種類があります。

それぞれ由来は違いますが、意味は同じです。

自分を主語としてへりくだる言い方ですので、ビジネスシーンでもうまく使っていきましょう。

相手に対して使う場合は、相手の言動を咎めたてるような強い言葉になってしまう点に注意しましょう。

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