「肝に銘じる」の意味と使い方・由来や例文

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心にしっかりと刻み付けて忘れないようにするという意味の慣用句です。

思いや出来事、アドバイスや教訓などを忘れないように自分自身に対して使う言葉でもあり、覚えておいてほしいことを相手に念を押すために他者に対して使う言葉でもあります。

「肝に銘ずる」という言葉もありますが、動詞の表現が少し変わっただけで、全く同じ意味の言葉です。

読みが同じなために間違われがちですが、「銘じる」が正しく、「命じる」は誤りです。

「肝に銘じる」の由来

「肝」は一般的には内臓を指す言葉ですが、「肝心」「肝要」などの言葉からもわかるように、物事における大切な部分を意味する言葉でもあります。

昔、魂は肝臓に宿っていると考えられていて、万葉集などの古今和歌集や平家物語などの軍記物語にも散見される言葉です。

魂の位置する場所である肝臓は大事だというところから、重要なところという意味を持ち合わせています。

一方、「銘」は「座右の銘」という言葉にも使われるように、あらかじめ心に刻んでいる戒めの言葉を指します。

「肝に銘じる」の英語表現

「肝に銘じる」にあたる英語の表現をご紹介します。

・keep in mind
しっかり覚えておく、心にとめるという意味です。

You have to keep this lesson in mind.
「今回の教訓を肝に銘じなさい。」

・to bear in mind
考慮する、心にとめるという意味です。

I bear in mind to have salad before lunch.
「私は昼食前にサラダを食べるよう肝に銘じている。」

・take ~ to heart
真剣に受け止める、重く受け止めるという意味です。

I took his advice to heart.
「私は彼の助言を肝に銘じた。」

・engrave on one's heart
心に刻むという意味です。

I engraved my mother’s warning on my heart.
「私は母親の忠告を肝に銘じた。」

「肝に銘じる」の例文

「肝に銘じる」の使い方を、例文と一緒にご紹介します。

・同じ過ちを二度と犯さないように肝に銘じる。

・今回発生したシステムエラーの原因に対して、重大な欠陥のご指摘を頂きました。

ご指摘の点を肝に銘じて改善して参ります。

・時間がかかっても丁寧に仕上げることが大事だという師匠の助言を肝に銘じて作品を作ります。

・指示に不明瞭な点があったことを反省し、明瞭な伝え方を心掛けることを肝に銘じた。

・取引先との会談においては、一社員として会社全体を代表していることを肝に銘じなさい。

「肝に銘じる」のまとめ

「肝に銘じる」とは「心という大切な部分に戒めの言葉を刻み込む」という意味になります。

忘れてはならないことや覚えておいてほしいことを、自分自身や他者の心に刻むときに使う言葉です。

失敗からの教訓を得たときなどに使われることも多いですが、決してマイナスな意味ではなく、そこから新たに前向きな気持ちになるために使われる言葉でもあります。

また、「命じる」ではなく「銘じる」であることも”肝に銘じて”おきましょう。

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