「収束」「集束」「終息」「終結」は、ものごとが終わる、おさまることの意味に使用されることが多い言葉ですが、意味合いが異なります。
「収束」は、混乱していたものごとが落ち着くという意味です。
「集束」は、光線が一点に集まるという意味です。
「終息」と「終結」は、ものごとが終わるという意味ですが、終結のほうがはっきりと終わるという意味合いが強い言葉です。
「収束」の意味
「収束」とは、混乱していたものごとが収まるという意味です。
必ずしもものごとが終わる、完結する状態ではなく、ある程度落ち着いた状態になる場合にも使用されます。
数学では、数列や変数などがある値に限りなく近づくことを意味します。
また、物理用語では、光線などが一点に集中することも「収束」といいます。
いずれも、あまり日常では使用しない用法です。
「集束」の意味
「集束」とは、複数の光線が一点に集まることを意味し、「収束」の意味の一部と同じ意味で使用されます。
「収斂」とも同義で、「集束レンズ」などに使用され、あまり日常では使用しない専門用語です。
「収束」には混乱していたものごとが収まるという意味がありますが、「集束」には、混乱していたものごとが収まるという意味はありません。
「終息」の意味
「終息」とは、混乱していたものごとが終わることを意味します。
「収束」はものごとがおさまる、落ち着くという意味ですが、「終息」は、完全に終わることを意味します。
例えば新型コロナウイルスが「終息する」と「収束する」では、前者が感染者(患者)がゼロになった状態、後者が感染者の増加が抑えられ、おる程度落ち着いた状態がイメージされます。
「終結」の意味
「終結」も、混乱していたものごとが終わることを意味し、「終息」とほぼ同じ意味で使用されます。
しいて言えば、「終結」のほうが結着がつくという意味合いが含まれるので、終息よりも、よりはっきりと終わるという意味が強い言葉です。
論理学における結論のことを「終結」と表記することもあります。
例えば、「AならばBである」という命題に対し、「Bである」の部分が終結になります。