イランは「テヘランを首都とするイラン高原にある国」。
北部はエルブールズ山脈、西部にザグロス山脈がある山がちな国土です。
イラクは「首都をバグダッドにおくメソポタミア文明が発展した国」。
戦争や経済制裁などの打撃を受けていますが、原油を生産しており情勢が不安定な国です。
両者とも中東にあり隣国のため混同しやすいですが、歴史や宗教などに大きな違いがみられます。
「イラン」の説明
イランは非アラブ人のシーア派の勢力が強く、7世紀からイスラーム化しています。
1925年にイギリスに半植民地化され、パプレヴィー朝が成立しました。
イラン革命によって親米王制は崩壊し、イスラームに基づく国家体制となりました。
世界2位の原油埋蔵量を誇り、ペルシャ湾岸に多数の油田があります。
ウラン濃縮に関する活動があり、核開発や大量破壊兵器開発などの問題で緊張状態にあります。
「イラク」の説明
1932年にイギリスの委任統治領から独立し、1958年より共和制となっています。
1980年にイラン・イラク戦争が勃発しますが、1988年に和平条件を受け入れて停戦しました。
1990年にクウェートへ侵攻しますが、翌年撤退します。
民主選挙により2006年に新政権が発足しましたが、武装勢力のテロが相次いで発生しました。
小麦の栽培や羊の放牧などが行われています。
「イラン」と「イラク」の生活の違い
イランでは、厳格なイスラームをもとにした教育を行う学校において、女子生徒は白いマグナエと呼ばれる布を頭に巻かなければなりません。
一方、イラクのチグリス川やユーフラテス川の流域に広がる山岳地帯にて、昔からクルド人が居住しています。
クルド人は現在でも、自分たちの国家を持たない世界最大の民族とされています。
「イラン」と「イラク」のまとめ
両者とも地理的に近い位置にあり、具体的なイメージがしにくい国であると思います。
人口はイランの方がイラクの2倍ほどと多く、国土も4倍ほどと広いです。
一人当たりのGNIも6~7倍と大きな開きがありますが、人口密度はイラクの方が大きな値になっています。
このように、データからみてわかる両国の違いについて、解説しました。