「豪奢」と「瀟洒」の違い・意味と使い方・使い分け

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豪奢は「たいへん贅沢で派手なこと」で、ゴテゴテキラキラとした華美な様子を表す。

「豪華」と言い換えることもでき、英語で言うとラグジュアリー。

対して 瀟洒は「すっきりとしてあか抜けていること」で、むやみに派手ではなく、むしろその対極にある言葉で、「洒脱」「小粋」とも言い換えることが可能。

英語では、スタイリッシュ、エレガントが相当する。

「豪奢」の意味

読みは「ごうしゃ」で、普通ではないレベルで贅沢であり、また非常に豪華で派手なこと、様子をあらわす。

「豪」の意味には、たけだけしい(豪毅)、すぐれている(文豪)、きらびやか(豪華)などがあり、「奢」には、度を過ぎるた贅沢をする(奢侈)といった意味がある。

「豪」と「奢」を合わせると、信じられないくらいの贅沢や、ありえないほどきらびやかで派手といった意味になる。

「瀟洒」の意味

読みは「しょうしゃ」で、すっきりとして洒落ている様や、泥臭くなく垢抜けている様子、さっぱりとしていて気が利いている様子をあらわしている。

「瀟」には清いという意味があり、また「洒」には水をかけて洗う、洗い清める、名誉を回復するなどの意味がある。

「瀟」と「洒」を合わせると、洗ったように清いという意味から、すっきりあっさりとしていて垢抜け、洒落た状態をあらわすようになった。

「豪奢」と「瀟洒」の用法や用例

「豪奢」は、ありえないくらいの贅沢さを表現するために用いられ、用例としては「彼女は金満家に嫁いでから、豪奢な生活をしている」「豪奢で絢爛な絵画が取り揃えられていて」「その部屋の装飾のすべてが豪奢にしつらえてあり」といった調子となる。

「瀟洒」は、華美に陥らずすっきりとして洒落た様を表現するために用いられ、用例としては「招かれたのは瀟洒な別荘で、彼はそこに籠もり典雅な暮らしを続けていた」「趣き深い瀟洒な庭にたたずみ」「瀟洒なスーツを着込み、ステッキのひとつも持って」など。

語尾の読み方が同じでも、「豪奢」と「瀟洒」は正反対

語尾の読み方はどちらも「しゃ」であり、耳で聞いているだけでは似たような表現なのかと勘違いをするかもしれないが、漢字を見れば一目瞭然、しかも正反対の意味合いである。

特に「瀟洒」は、派手とまではいかなくても、装飾性を含めた上品な華やかさを表していると,誤解して覚えている人も多いようだが、実際の意味は違う。

また、「豪奢」「瀟洒」はともに外観の様子をあらわしているが、「豪奢」と似た言葉には「奢侈」「贅沢」があり、「瀟洒」と似た言葉には「洒落」「洒脱」がある。

うまく活用して、自分の表現の幅を広げてみよう。

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