「基準」と「規準」の違い・意味と使い方・使い分け

B!

「基準」の意味は、「物事の評価や判断のよりどころ」です。

「基準」は、比較・対照して、増減・多少・満たすかどうかなどを評価・判断する基になるもののことです。

境界となる最低の条件をいいます。

法令では、「基準」を用います。

「基準を設ける」「基準を上回る数値」「建築基準」「良し悪しの判断基準がない」のように使います。

一方、「規準」は、手本とすべき、または、従うべき事柄や規則のことです。

「基準」の意味

「基準」は、「物事の基礎となる標準」「物事の比較・判定するときの基礎となるよりどころ」という意味です。

しばしば、社会的・実践的に望ましい性質や水準を指し、その数値を基準として用いられます。

「基準を設ける」「基準を上回る数値」「建築基準」「良し悪しの判断基準がない」
「評価の基準を示す」「水質基準を満たす」のように使います。

類語には、「標準」「尺度」「物差し」があります。

共通する意味は、「物事の評価や判断のよりどころ」です。

「規準」の意味

「規準」の「規」は、コンパスを表し、「準」は、水準器のことです。

「規準」は、「判断や行動などの模範となるよりどころのこと」「規範・標準とするもの」という意味です。

哲学では、信仰や思惟や評価や行為などの手本とすべき「事柄」「規則」「規範」のことです。

「道徳の規準」「行動の規準は何か考えよう」「規準に従って行動する」のように使われます。

「基準」と「規準」の用途

◇「規準」は順守

「基準」は、「物事を判断するもの」という意味です。

「規準」は、「従うべき規則・規範」です。

「判断のよりどころ」となるのが「基準」で、その「基準」を知った時点で、それを守る守らないは関係ありません。

しかし、「規準」は、順守されることを期待されている言葉です。

◇「規準」に近い意味の「規矩準縄・きくじゅんじょう」

規矩準縄(きくじゅんじょう)出典:「孟子」離婁上から。

意味は、「物事の標準となる手本・法則のこと」です。

「規」・・コンパスのこと
「矩」・・曲尺(かねじゃく)のこと
「準」・・水平を計る水盛のこと
「縄」・・木材に線を引く墨縄(すみなわ)のこと

※この四文字熟語のそれぞれの漢字は物をはかる器具であることから、「物事の規準となる手本・法則」
 という意味が発生しました。

 「決められた規矩準縄に従わなくてはならない」のように使われます。

 この「規矩準縄」の代わりに「規準」でも使用可能です。

まとめ・コンパスと神様

アメリカ建国時の創始者たちの多くが、フリーメーソンという秘密結社のメンバーだったことは有名な話です。

そして、その組織のシンボルとして、「コンパス」と「直角定規」を組み合わせた図形が用いられています。

その結社の中では、「トーラー・聖なる書物」「コンパス」「直角定規」は、三つの「大いなる光」と呼ばれ、人間の行動を判断する規準とされてきました。

中国語では、古くから「コンパス」を「規」、「直角定規」を「矩」と呼んでいます。

「規矩」とは法律のことです。

日本でも、聖徳太子の「コンパス」と「直角定規」を持つ姿が描かれました。

「聖徳太子孝養像・六臣像(四天王寺蔵)」
現在、最も重要な大工道具の一つは、「大工金」と呼ばれます。

それは、「曲尺・指金・さしがね」のことです。

これを持つ神は「思兼神」です。

棟上げ式などで祀られる神様です。

この「曲尺」の直角の部分を「矩の手」と呼んでいます。

基準を計るからでしょう。

最新の記事はこちらから