どれは「決まっているものから一つ選ぶ時に使う言葉のこと」。
「単数選択」と言い換えると分かりやすい。
いずれは「不特定多数のものからいくつか選ぶ時に使う言葉のこと」。
「複数選択」と言い換えると分かりやすい。
「どれ」は「どれが良いか」「どれにしようか」「どれか一つ」などと使いますから、選ぶものがあらかじめ決まっていることになります。
「いずれ」は選ぶ対象はもっと広く不特定な感じがする言葉です。
「どれ」は少数の限定したものから選ぶこと
「どれにしようか迷ってしまう」や「どれか一つですよ」「どれが良かろうか」と使うと選ぶものが視野に入っていて限定されたものになります。
そんなに数多くはなく、二者択一の場合も多いのです。
あらかじめある程度候補が絞られていることもあります。
例えば、料理の本を選ぶ場合、数点の中から一番適したものを選ぶようなものです。
「いずれ」は選択と先のことを表す言葉
「いずれ」は「どれ」と同じ意味を持つほか、先の決まっていない時期を表す言葉です。
選択幅は「どれ」よりは広いものになります。
「いずれ菖蒲か杜若」と言う言葉がありますが、「どちらも優劣の付け難い美人」と言う例えになります。
時期を表す場合は、「いずれまた、失礼」「いずれの日にかまた、訪れたいものだ」などと使い、不定な時期のことを言います。
「どれ」と「いずれ」は選択では「どれ」
「どれ」と言う言葉は日常的に良く使われている言葉です。
「いずれ」は意味が同じでも選択には余り使われません。
むしろ、「いずれ」は先や過去の不定な時期に良く使います。
源氏物語の冒頭は「いずれの御時にか、」と言う言葉で始まります。
将来だけではなく過去の不明な時期でも使われている良い例です。
「いずれ、そのようになるかもしれないな」「武士が台頭してきたのはいずれの時代なのか」などと使います。
「どれ」と「いずれ」とは
「どれ」は「いずれ」から出来た言葉になります。
「限定されたものから選択する場合」「不特定多数から選択する場合」などに使われます。
「いずれ」は大変に古い言葉になり、源氏物語の冒頭文にも使われています。
将来や過去の不定な時期のことを表す言葉になります。
また、「どれ」と同じように選択をする場合にも使われます。
「いずれに致しましょうか」と使い、やや丁寧な表現になります。