「畏まる・かしこまる」と「畏れる」と「謹む・つつしむ」の違い・意味と使い方・由来や例文

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「畏まる・かしこまる」は、おそれ謹んだ態度を取ることです。

英語では「humble oneself」「sit upright」「stand on ceremony」で表されます。

「身を慎む」という意味の場合「humble oneself」を使います。

「正座する」という意味の場合「sit upright」です。

「堅苦しい態度を取る」という意味の場合「stand on ceremony」です。

「そんなに畏まらないでください」は「Make yourself at home」「Don’t stand on ceremony」です。

「畏れる」は、畏敬の念を持ち、おそれ多いと感じることです。

英語では「reverence」で表されます。

「神を少しも恐れない」は「He has no reverence for God. 」です。

「謹む・つつしむ」は、「うやうやしくかしこまる」という意味です。

英語では以下のように表されます。

「謹んでおわび申し上げます」は「I humbly beg your pardon. 」です。

「ご成功を謹んでお祝い申し上げます」は「Let me congratulate you most heartily on your success. 」
「Allow me to congratulate you most heartily on your success. 」です。

「畏まる・かしこまる」の意味

「畏まる・かしこまる」は、以下のような意味です。

①身分の高い人の前などで、おそれ謹んだ態度を取ることです。

枕草子(153)に「やむごとなき人の、よろづの人に畏まられ、かしづかれ給ふ」とあります
②つつしみの気持ちを表して、姿勢を正して座ることです。

③謹んで承知することです。

「承る・うけたまわる」と同じ意味です。

以下のように使います。

先生の前では自然に畏まります 畏まって話を聞く
畏まって意見を具申する 畏まった話し方

「畏れる」の意味

「畏れる」は、以下のような意味です。

①相手の力に押されて、心が弱くなることです。

かなわないと思って怖がることです。

怖がることです。

恐怖心を持つことです。

「怖れる」とも書きます。

②悪いことが起こるのではないかと気づかうことです。

「危惧する」「憂慮する」「あやぶみつつしむ」と同じ意味です。

「懼れる」とも書きます。

③優れたものに対して威圧されたような気持ちを持つことです。

畏敬の念を持つことです。

おそれ多いと感じることです。

※一般的に、「畏敬」「畏怖」の意味では「畏」を使い、「恐怖」「危懼・きぐ」などの意味では「怖」「懼」を使います。

「畏れる」は、以下のように使います。

大自然の力を畏れる 運命を畏れる 神を畏れる 師の炯眼(けいがん)を畏れる 天を畏れぬ不届きな所業

「謹む・つつしむ」の意味

「謹む・つつしむ」は、「うやうやしくかしこまる」という意味です。

欽明紀に「今願はくば帰りて以て謹みて」とあります。

平家物語(10)に「謹んで以て承る所件の如し」とあります。

以下のように使います。

謹んで新年のお慶び申し上げます 謹んでご辞退申し上げます。

話は謹んでお受けいたします

<謹の漢字>
字義は「つつしむ」「つつしみ」「つつしんで」です。

解字では、「言+菫」で構成されます。

「菫・きん」の部分は「粘土を塗りこめる」を表します。

これらにより「言葉を塗りこめて控えめにする」を表し「つつしむ」を意味します。

「畏まる・かしこまる」は おそれ謹んだ態度を取ること、「畏れる」は 畏敬の念を持ち、おそれ多いと感じること、「謹む・つつしむ」 はうやうやしくかしこまることです。

「畏まる・かしこまる」「畏れる」「謹む・つつしむ」は、類語です。

共通する意味は「何かを本当に尊い力のあるものだと思い、その前で礼儀を失わないように控えめにすること」です。

「畏まる・かしこまる」は、尊敬の気持ちを言葉や態度で表すことです。

そこから、「そんなに畏まらずに、お楽になすって下さい」のように「きちんと座って小さくなる」という意味も表します。

また、「かしこまりました」の形で、目上の人の命令を承知したという意味を丁寧に表します。

「畏れる」は、自分よりはるかに力のあるものを尊い・怖いと思う気持ちを表わす言葉です。

特に、神仏や自然について使います。

「謹む・つつしむ」は、「相手への尊敬を、口数や勝手な行動を少なくすることで表す」という意味です。

多くの場合、「謹んで~します」の形で使います。

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