避難準備情報は、災害の際に高齢者や身体障害者など、避難に時間がかかると思われる人たちに避難勧告に先立って出されるもので、避難勧告は災害によって被害が起こる可能性が高くなった地域の住民たちに速やかに避難するよう促すもので、被害指示は避難勧告よりも切迫した状況になった時に発令されます。
避難命令は避難勧告よりもさらに重大な危険が迫っていることを示すものですが、日本にはこのような名称の制度はありません。
避難準備情報とは
避難準備情報は、災害が起こり避難勧告や避難指示が発令される可能性がある場合に、高齢者や障害者など、避難に時間がかかるいわゆる災害弱者に先に避難を促すため自治体が発令するものです。
2004年に全国で風水害が相次ぎ、高齢者が犠牲になったことで内閣府でガイドラインが作られました。
しかし、その意味が理解されていなかったことで実際には適切な避難行動がとられず犠牲になった高齢者がいたことから、「避難準備・高齢者等避難開始」に変更されました。
避難勧告とは
避難勧告は、災害によって人的被害の発生する可能性が高くなった場合に、その地域の人たちに対して速やかに避難を開始し、立ち退くように勧め促すことで、災害対策基本法に基づき市長村長が発する避難情報の一つです。
ただし避難する際の移動がかえって危険な場合には自らの判断で近くの安全な場所へ避難することや屋内において安全確保することが求められます。
避難指示とは
避難指示は、災害によって差し迫った危険がある地域の住民らに、市町村長が安全な場所に速やかに立ち退くよう指示することで、避難勧告よりも危険が迫っている場合に発令されます。
ただし、これに従わなくても基本的に罰則規定はありません。
内閣府は空振りを恐れることなく自治体が避難指示を発令よう定めており、対象の地域は住民が当事者意識を高く持つよう、ある程度の絞り込みが望ましいとされています。
避難命令とは
避難命令は、災害によって重大な危険が対象の地域に迫っている場合に出す命令のことで、日本での災害対策基本法における避難勧告ないし避難指示とは別のもので、現在の日本では「避難命令」という名称の制度は存在しません。
日本において避難指示よりも切迫した段階に存在する制度は「警戒区域への指定」というもので、警戒区域への立入りを罰則を定めて制限するもので、日本ではこれが事実上「避難命令」にあたります。