「使う」は、用にあてることです。

役立たせることです。

英語では「use」「handle」で表されます。

「箸を上手に使う」は「use chopsticks skillfully」「handle chopsticks skillfully」で表されます。

「機械を使う」は「handle a machine」「operate a machine」です。

「用いる」は、役に立てて使うことです。

英語では「use」「utilize」「adopt」で表されます。

「使う」という意味の場合「use」で表されます。

「利用する」という意味の場合「utilize」です。

「採用する」という意味の場合「adopt」です。

「今度は新しい方法を用いよう」は「We’ll adopt a new method.」「We’ll employ a new method.」です。

「使う」の意味

「使う」は、以下のような意味です。

「仕かふ」から来ています。

「主(あるじ)の意向に添わせていろいろ用をさせる」という意味です。

①主(あるじ)として意向に従わせることです。

竹取物語に「おのが身は、この国に生まれて侍らばこそ使ひ給はめ」とあります。

②用事をさせることです。

雇って働かせることです。

「使役」です。

宇津保物語(藤原君)に「妻も設けずつかい人も使はぬ人あり」とあります。

③用にあてることです。

役立たせることです。

竹取物語に「野山にまじりて竹を取りつつよろづごとに使ひけり」とあります。

漢字や新薬などについていいます。

④体の部分を有効に働かせることです。

「頭」「色目」「神経」などについていいます。

⑤方法や手段を用いることです。

「汚い手」「権力」「仮病」などについていいます。

⑥扱いの難しいことや、訓練を要する術などを巧みに操ることです。

「言語」や「魔法」などについていいます。

⑦何かの用に立てて、その量を減らすことです。

「お金」や「燃料」などについていいます。

⑧慣用句的に、それを用いて特定の行為をすることです。

「風呂を使う」「弁当を使う」のように使います。

以下のように使います。

バスを使って通勤する 機械を使う 我々は口を使って話し、足を使って歩く
人を使うのは難しい 新作映画では新人を使う 鉛筆を使う 頭を使う

「用いる」の意味

「用いる」は、以下のような意味です。

元来は「持ち率る」です。

「引き連れる」という意味です。

①君主などが能力を認めて使うことです。

特に、職務・地位に就かせることです。

任用することです。

源氏物語(少女)に「世のひが者にて才のほどよりは用いられず」とあります。

②「良し」として取り上げることです。

採用することです。

平家物語(8)に「西国へ院宣を下されたりけれども、平家用ゐ奉らず」とあります。

③役に立てて使うことです。

平家物語(3)に「僧都一期の間、身に用ゐる処、大伽藍の寺物仏物あらずと云ふ事なし」とあります。

④心をあれこれと働かせることです。

心を配ることです。

「交渉に意を用いる」のように使います。

以下のように使います。

試合では彼の作戦を用いる 鉛筆を用いる 新工法を用いる
新作映画では、新人を用いる 兵士を用いる 部下の意見を用いる

<使・用の漢字>

「使」
字義は「つかう」「~しむ・させる(助字)」「つかい・使いする」です。

解字では、「人+吏」で構成されます。

「吏・り」の部分は「役人」を表します。

人を付して「つかう・つかえる人」を意味します。

「用」
字義は「もちいる」「働き」「宝・財貨」「器に盛った供え物」「以て」です。

解字では象形です。

「甬鐘」という鐘の象形です。

鏞(よう)の原字です。

これにより「この柄をもって持ち上げる」を表し、転じて、「取り上げる・もちいる」を意味します。

「使う」は 用にあてること、 「用いる」は 役に立てて使うことです。

「使う」「用いる」は、類語です。

共通する意味は「何かのために働かせたり利用したりすること」です。

「使う」は、一般的な言い方です。

「目的をもって、物・人・考え方・手段・方法を活用する」という意味です。

「部下を使う」「部下を用いる」のようにどちらの言葉も同様に使える場面があります。

しかし、前者は「単に働かせる」という意味ですが、後者は「その人物を評価して活用する」という意味です。

「用いる」には、「部下の提案を用いる」のように採用するという意味があります。

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