勘案は「いろいろなことを配慮して物事を決めること」。
「配慮」と言い換えると分かりやすい。
考慮は「相手のことを考えて物事を決めることこと」。
「斟酌」と言い換えると分かりやすい。
「勘案」は関係あることを念頭にして物事を決めること。
「考慮」も斟酌して物事を決めることです。
どちらも考えるのですが、勘案は関係事項への配慮が要素としてあり、考慮は相手のことを考える斟酌と言う面があります。
「勘案」は配慮のこと
「勘案」は単に考えることではなく、関係する事項のことも考えて支障がないかをチェックしてから、物事を決めていくやり方になり配慮するということです。
「法案は野党の要望も勘案の上、修正して通過した」「遠足は足の遅い生徒のことを勘案して行程を決定した」「賞与はこれからのことも勘案して支給された」「判決は凡例や諸事情を勘案して決められたようだ」などと使います。
「考慮」は斟酌のこと
「考慮」は単に考えることではなく、相手のことも考えて斟酌する面を持っています。
「相手が未成年であることを考慮しても、この犯罪は凶悪である」「リハビリは高齢者と言うことを考慮した内容になっている」「考慮に考慮を重ねて、決定された」「弱者のことを考慮しているのか疑問だ」「懇親会のお茶菓子は女性が多いことを考慮して、ケーキが出された」などと使います。
「勘案」も「考慮」も一人では決めないこと
「勘案」は配慮することで、「考慮」も相手に配慮することです。
どちらも、相手が有ることで、単独で決めることではありません。
「いろいろなことを勘案する必要がある」「いろいろと比較検討し総合的に勘案して決められた」「彼の立場も考慮する必要がある」「何も考慮しないで単独で決めたのか」「是非、このことも考慮してください」などと使います。
「勘案」と「考慮」とは
「勘案」は諸事情を考えて物事を決めることです。
「考慮」も相手のことを斟酌して決めることです。
「勘案」は総合的判断に使い、「考慮」は斟酌することや配慮することで、単独決定ではないという時に使います。
「東京五輪大会はスポンサーの意向を第一に、コロナ禍のことなどを勘案して開催期間が決められた」「東京五輪大会は東京の夏の暑さを考慮しないで決められた」などと使います。