「懲戒」と「懲罰」の違い・意味と使い方・由来や例文

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「懲戒」は、不正または不当な行為に対し、制裁を加えることです。

英語では「disciplinary action」「a reprimand」で表されます。

「けん責」という意味の場合「a reprimand」です。

「懲戒委員会」は「a disciplinary committee」です。

「懲罰」は、官公吏などの不正、または不当な行為に対して罰を課すことです。

英語では「punishment」「discipline」で表されます。

「著罰委員会」は「a disciplinary panel」です。

「懲罰動議」は「a motion disciplinary measures」です。

「懲戒」の意味

「懲戒」は、以下のような意味です。

①懲らしめいましめることです。

「こらしめ」と同じ意味です。

②不正または不当な行為に対し、制裁を加えることです。

公職にあるものの義務違反に対して、国または公共団体が制裁を科すことです。

また、その制裁を指します。

国家公務員にあっては免職・停職・減給・戒告の類です。

裁判官にあっては戒告・過料の類です。

以下のように使います。

懲戒を受ける 懲戒免職 懲戒処分
懲戒解雇 懲戒裁判

「懲罰」の意味

「懲罰」は、以下のような意味です。

①将来を戒めるために、罰を課すことです。

②官公吏などの不正、または不当な行為に対して制裁を加えることです。

組織内の内部規律を乱したものに対して行う制裁のことです。

法律では、国会議員に対しては憲法58・国会法121~124で、地方公共団体の議会の議員に対しては地方自治法134~137で、在監者に対しては監獄法59~62で定められています。

以下のように使います。

懲罰を与える 懲罰委員会 懲罰動議

<懲・戒・罰の漢字>

「懲」
字義は「こらす・こらしめる」「こりる」「いましめる」「くるしむ」「とめる・やめさせる」「定める」です。

解字では、「心+徴」で構成されます。

「徴」の部分は、「止」に通じ、「とまる」を表します。

これにより、「心の活動が止まる」を表し、「こりる」を意味します。

「戒」
字義は「いましめる」「いましめ」「ととのえる」「物忌み」「文体の一種・訓戒の文」「仏教では、身心の過ちを犯さないためのいましめ・戒律」です。

解字では、「戈+廾」で構成されます。

「戈」の部分は、「ほこ」の象形です。

「廾」の部分は、「左右の手」の象形です。

これらにより、「武器を両手にしていましめる」を意味します。

「罰」
字義は「つみ」「しおき」「しおきする・刑罰」です。

解字では、「詈+?(刀)」で構成されます。

「詈」の部分は「ののしる」を表します。

「?」を付して、「刀を突きつけののしる」を表し、「とがめる」を意味します。

「懲戒」は 不正または不当な行為に対し制裁を加えること、「懲罰」は、官公吏などの不正、または不当な行為に対して罰を課すことです。

「懲戒」「懲罰」は、類語です。

共通する意味は、「不正、または不当な行為に対して罰を与えること。

また、その罰」です。

「懲戒」は、主として公務員の職務上の義務違反に対する制裁をいいます。

「懲罰」は、広く一般に使います。

<懲戒解雇>
企業の規律・秩序に違反して利益を著しく損なう行為をした労働者に対し、使用者が制裁として行う解雇のことです。

通常、退職金は支給されません。

<懲戒免職>
公務員の規律違反などに対して、懲戒として行う免職のことです。

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