「増刷」は、初版の内容と全く同じものをたくさん印刷すること。
内容をそのまま印刷して量を増やすとイメージすると分かりやすい。
「重版」は、初版の内容のほんの一部、または表現方法を少しだけ変えて、たくさん印刷すること。
ほとんど初版と内容や表現方法が重なっているものを印刷しているのをイメージすると分かりやすい。
「増刷」の意味
「増刷」は、初版と内容も表現方法も全く同じものをたくさん印刷すること。
奥付の方に記入されていますので、それで「増刷」かどうかの判断が明確に出来ます。
1回目の「増刷」は、二刷、2回目の「増刷」は、三刷と記されています。
全く同じものを印刷しますので、「重版」と違い、人件費やデザイン料は全くかかりません。
「重版」の意味
「重版」は、初版の内容のほんの一部、または表現方法を少しだけ変えて、たくさん印刷すること。
本を出して思っていた以上に売れて、「おめでとうございます!重版が決まりました!」とよく言われますが、厳密には間違いです。
正確には、「増刷」が決まりましたと言うのが正しいです。
奥付には、二版第一刷と記されています。
「増刷」と「重版」の実際での使われ方
「増刷」と「重版」は、実際の現場では同じニュアンスで使われることが多く、明確に区別されていません。
その現場現場で、よく耳にしている言葉や、よく口にしている言葉が使われる傾向にあります。
広告などで宣伝する場合は、間違った言葉の使い方だとわかっていて、あえて語呂やイメージの良さで「重版」を使う事が多いです。
「増刷」と「重版」以外の言葉について
「増刷」と「重版」以外に、「改訂」と「復刻」があります。
「改訂」は、「重版」よりも変更の範囲が広く、別の本になります。
「復刻」は、同じ内容なのですが、別の本にする事です。
従って、本の裏にあるISBNコードは、同じ本なら同じコードですので、別の本になるために、ISBNコードも別のコードになります。
法律の改正により、読者が間違った認識をしないための配慮です。