応分は「それ相応のこと。」
「見合ったこと」と言い換えると分かりやすい。
過分は「それに見合わない多くのこと」。
「過剰なこと」と言い換えると分かりやすい。
これらの言葉は例えば報酬額の過多を言います。
報酬を与える側は相場ならば「応分の報酬だ」と言い、貰う側がもし考えていたより多ければ「過分の報酬痛み入ります」となるのです。
「応分は分相応のこと
「応分」は分相応という意味で能力に見合ったことになります。
例えば「このような失敗は応分の処置があっても文句は言えない」「この橋工事で利益を享受する村には応分の負担をしてもらう」「この人災事故で生じた損失は関係者に応分の責任がある」「応分のことをしてもらえれば十分です」「応分の分け前」などと使います。
「過分」は多いこと
「過分」は能力以上に評価されることです。
例えば「今回は過分の働きに応じた報酬が支払われるだろう」「これは自分にとり過分なことなのでお返しいたします」「なんとも過分なことだ」「過分な報酬」「過分に過ぎる」「この度は過分なるお心遣い恐れ入ります。」
「過分な祝儀を頂戴した」「これはあの人には過分な評価と言える」などと使います。
「応分」「過分」は双方で感じ方が異なる場合があります。
一方は「応分」と思っていても他方はそのようには受け取らないことも考えられるということです。
与える側が「過分」と思っていても、受ける側が「応分」と思うこともあります。
「応分」を与えても「少ない」と感じるかも知れません。
「少な目」でも社交辞令的に「過分のお心遣い」などということもあります。
双方の思惑で異なる相対的な使い方になります。
「応分」「過分」
「応分」は分相応の能力に見合ったことを言い、「過分」は分相応以上のものを言います。
「応分」も「過分」も双方で思惑により感じ方が異なることがある相対的な言葉なります。
一方が「応分」と思っても他方は「少ない」または「過分」と感じるかも知れません。
逆に一方が「過分」と思っても他方は「応分」「少ない」と感じるかも知れないということです。