詠み人知らずは「和歌の作者が分からないこと、匿名であること」。
「匿名」と言い換えると分かりやすい。
作者不詳は「本当に作者が分からないのこと」。
「作者不明」と言い換えると分かりやすい。
詠み人知らずは都合の良い言葉として使われました。
様々な理由から、名前を公表することができない場合に匿名として処理することです。
「詠み人知らず」は昔の和歌選集にあります。
「詠み人知らず」は現代では使われませんが、昔の和歌選集でよく使われた言葉になります。
詠み人が世間に通用する有名人なら正々堂々と名前を入れるのですが、世を憚る人や無名の人は匿名ということで「詠み人知らず」を使ったのです。
「詠み人知らず」は何とも優雅な感じのする言葉ですが、匿名や作者不詳よりは気が利く言葉です。
「作者不詳」は本当にわからないこと
「作者不詳」は昔からの伝承の民謡や昔話・童話・童謡などの作者が、時代が古過ぎて判明しない場合に使われます。
特に童謡の作詞者や作曲者が分からないケースは結構あるものです。
もちろん著作権も存在しません。
最近では石川さゆりが歌う「作者不詳」の歌として「奴さん・木遣りくずし・梅は咲いたか」などがあります。
他の代表例では「あおげば尊し」の作詞者不詳があります。
「詠み人知らず」は匿名で「作者不詳」は不明なこと
「詠み人知らず」は匿名とする場合に使われました。
「作者不詳」は作詞者・作曲者などが本当に分からない場合のことです。
「作者不詳」は文部省唱歌・童謡・わらべうた・民謡などで数多く存在します。
中には有名なものも多くあり、作詞者は分かっていても作曲者不詳のものや逆のもの、両方とも不詳のものなどさまざまです。
「詠み人知らず」と「作者不詳」
「詠み人知らず」は都合により作者不詳とすることで匿名化することです。
平安の時代の和歌選集に使われた言葉です。
何か雅な感じがします。
「作者不詳」は特に童謡や民謡などで作詞者か作曲者又は両者が不明のことです。
古い歌が多いのは当然なのですが、「あおげば尊し」「ソーラン節」「ずいずいずっころばし」など親しみのあるものも多くあります。