俳句の「や」と「けり」と「かな」の違い・意味と使い方・由来や例文

B!

やは「俳句の上の句で使われる感動や呼びかけを表す切れ字のこと」。

「呼びかけ」と言い換えると分かりやすい。

けりは「俳句に使われる過ぎ去った感動や詠嘆を表す切れ字のこと」。

「感動」と言い換えると分かりやすい。

かなは「俳句に使われる今の感動や詠嘆を表す切れ字のこと」。

「詠嘆」と言い換えると分かりやすい。

これらは感動や詠嘆を表す言葉です。

「や」は感動の言葉

「や」は俳句の第一句目・上の句に良く使われる切れ字で、呼びかけや感動・詠嘆の感情を表す言葉です。
上の句限定ではなく中句にも使われます。

例えば有名な俳句で上の句だけですが「古池や」、「静かさや」、「菜の花や」、「名月や」、「菊の香や」などがありますが、それぞれ呼びかけと同時に感動・詠嘆を表しています。

「けり」は過去の感動の切れ字

「けり」は文法的には過去形ですから、過去に感じた感動を表すと考えられます。
例えば有名な俳句の下の句だけですが「かくれけり」、「うすれけり」、「なりにけり」、「かくれけり」、「奪いけり」、「通りけり」などと使われていて、切れ字「けり」を使い過ぎ去った過去の状態について感動を込めて歌っています。

和歌でも使わています。

「かな」は現在の感動の切れ字

「かな」は文法的には現在形ですから、今の感動を表すと考えられます。
例えば有名な俳句で下の句だけですが「かかしかな」、「謡かな」、「若葉かな」、「鐙かな」、「時雨かな」、「子供かな」、「畑かな」、「蛙かな」、「手まりかな」、「添乳かな」、「屑屋かな」、「蛍かな」など数多くの名作が残っています。

「かな」は今感じた感動を表す言葉です。

感動を表す切れ字

感動を表す切れ字には「や」「けり」「かな」などがあります。

「や」は呼びかけにもなり、「けり」は過ぎ去った過去の感動を表し、「かな」は今感じている感動を表しています。

「や」は上の句や中句に使われ、「けり」「かな」は下の句に使われます。

俳句だけではなく和歌にも使われ、「朝ぼらけかな」「月を見しかな」「むかしなりけり」「紅葉なりけり」と使われています。

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