「ケシ」と「ヒナゲシ」の違い・意味と使い方・由来や例文

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ケシは「ケシ科ケシ属の一年草のこと」。

「アヘンケシ」と言い換えると分かりやすい。

ヒナゲシは「ケシ科ケシ属ヒナゲシ種の一年草のこと」。

「虞美人草」と言い換えると分かりやすい。

ケシは麻薬が取れるもので、一方、ヒナゲシは鑑賞用のケシで麻薬は採れません。

「芥子」と言う漢字は「カラシナ」のことですが、種が似ていることから「ケシ」にも当てられたものです。

「ケシ」はモルヒネが取れます。

「ケシ」に出来る「ケシ坊主」と呼ばれる未熟果実の表面にキズを付けると白い汁が出て来ます。

その汁が黒く固まったものがアヘンで、成分はモルヒネなのです。

モルヒネを精製したものがアヘン末で麻薬となります。

更に精製して作られたのがヘロインで、いずれも法律で厳しく取り締まられています。

しかし、モルヒネは強い鎮痛薬として末期医療用に使われています。

「ヒナゲシ」は園芸用・鑑賞用の植物

「ヒナゲシ」はケシの仲間ですが、モルヒネやアヘン・ヘロインなどは全く取れない種類で、園芸・鑑賞用の草なのです。
もともとヨーロッパ原産で、「虞美人草・コクリコ・シャーレイポピー」などとも呼ばれています。

日本でポピーと言うのは「ヒナゲシ」のことになります。

外国ではシャーレポピーと言い「ケシ」を意味するポピーと厳密に区別されます。

「ケシ」と似ている「ヒナゲシ」の栽培は気を使う。

「ヒナゲシ」は普通に売られている鑑賞用の花ですから「アヘンケシ」とは違うのですが、何か気を使ってしまいます。

「ヒナゲシ」の花はとても美しく、赤・黄など色とりどりで目を楽しませてくれます。

「虞美人草」の別名の由来は中国の戦国時代の武将・項羽の妻の名前から採られたという説があります。

自害した虞美人の墓に咲いた花が「ヒナゲシ」に似ていたらしいのです。

「ケシ」と「ヒナゲシ」は全く違うもの

「ケシ」は「アヘンケシ」とも呼ばれ、果実から採れる白い汁が原料となり、モルヒネからアヘンやヘロインを作れる恐ろしい植物で、薬用以外は厳しく制限されています。
モルヒネは末期の鎮痛薬としい医療に使われています。

「ヒナゲシ」はシャーレポピーと言いますが、日本では単にポピーで通用する園芸・鑑賞用の花となり、毒性はないものです。

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