「明く」「明けると開く」「開けると空く」「空ける」の違い・意味と使い方・由来や例文

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「あく・あける」で用いる場合、「空」は「ふさがる」の反対の意味の言葉です。

「からになる」「すきま」ができるという意味です。

「空き家」などと使います。

「開」は「閉じる」の反対の言葉です。

閉じていた物が開くことです。

「幕が開く」のように使います。

「明」は、「あいて明るくなる」や「見通しが開ける」という意味です。

「夜が明ける」「目を明ける」「らちが明く」などと使います。

一般的に「あく」は自動詞として、「あける」は他動詞として使われます。

<自動詞と他動詞>
「自動詞」は、他に作用を及ぼす意味を持たない動詞です。

目的語が無くても意味が完結します。

英語では「Intransitive verb」です。

「花が咲く」の「咲く」や「馬が走る」の「走る」が自動詞です。

一方、「他動詞」は、他(客体)に作用を及ぼす意味を持つ動詞です。

目的語がないと意味が完結しません。

日本語では、目的語を「~を」のように表します。

「本を読む」の「読む」が他動詞です。

英語では「transitive verb」です。

「明く」の意味

「明く」は、自動詞五段活用や他動詞四段活用の場合があります。

「物事がはっきりする」という意味で「明く・あく」は使います。

自動詞の場合、「年季明け」「物忌み明け」「喪が明く」のように使います。

他動詞の場合、「目を明くも塞ぐも自まま」などと使います。

しかし、この場合、一般的には「明く」よりも他動詞の「明ける」を使います。

<明の漢字>
字義は、「あきらか」「あかるい」です。

この意味の場合、「光が照らしてあかるい」「はっきりしている」「すきとおっている・清らかである」「賢い」「視力がすぐれている」という意味を含みます。

また、他に「あきらかにする」「夜があける」「あけがた」「あかり・光」「昼」「現世」「次」「視力」「知力」「神」という意味を持ちます。

「明」は、甲骨文字の時代から「明」と「?」の二つの文字が使われて来ました。

「明」は「日+月」で構成され「あかるい」という意味を表します。

「?」は、「冏+月」で構成されます。

「冏」は窓の象形です。

「窓を照らす月」の意味から「あかるい」を表すようになりました。

常用漢字では「明」が採用されました。

「明けると開く」の意味

◇明ける

「明ける」は、物事が明るくなる意味に用います。

「明ける」は、自動詞下一段活用や他動詞下一段活用の場合があります。

自動詞では、「夜が明ける」や「年が明ける」のように使います。

他動詞場合、目的語を伴います。

「らちを明ける」「事情を打ち明ける」などのように使います。

◇「開くあく」は自動詞で、「ひらく」という意味です。

「開く・あく」は、閉じていたものがとじ目から離れたり、くっついた部分に空間ができたりする状態を表します。

「開く・ひらく」は、中から外へ中が見える状態で、閉じた物が緩んでくることをいいます。

「開く・あく」が一方向的な動きであるのに対し、多くの場合「開く・ひらく」は二方向以上への動きを指します。

例えば「窓が開く・あく」といった場合、は引き戸を開けることを指しますが、「開く・ひらく」はフランス窓などに付いて述べています。

「観音開き」のような状態を表します。

<開の漢字>

「開」の字義は、「ひらく・自動詞」です。

「閉」の反対語です。

この意味の場合、「閉じているものがあく」「広がる」「ほころんで咲く」「通る」「分かれる」「新たに始まる」「のびのびする」という意味を含みます。

その他の字義は「ひらく・他動詞」です。

この意味の場合「あく・あける」「広げる」「切り開く」「とおす」「述べる」「解説する」「解き放つ」などの意味を含みます。

解字に於いて、「開」は「門+扞」で構成されます。

「扞」の部分は、両手の象形です。

「開」は、「門に両手をかけて開く」という意味を表します。

「開けると空く」の意味

◇開ける

「あける」は他動詞下一段活用です。

目的語を伴って使われます。

「開ける・あける」は、目的となる物質を「開く・あく」ようにすることです。

外へ押したりしてとじ目から離していく動作を表します。

「開けっ放し」などと比喩的に用いることもあります。

◇開けるの類語
「開く・あく」と「開く・ひらく」と「開ける・あける」は類語です。

共通する意味は「閉じていたものの隙間にゆるみができる」や「さらに大きな開放部ができたりすること」です。

または、「閉じていない状態にすること」です。

英語では「to open」で表されます。

「開く・あく」と「開く・ひらく」は、カ行五段活用です。

「開ける・あける」はカ行下一段活用です。

「開く・あく」は、自動詞のみで使います。

「開く・ひらく」は自動詞でも他動詞でも使います。

「開ける・あける」は他動詞のみで使います。

◇空く

「あく」は、自動詞五段活用です。

「空く」は「空間ができる」「からになる」「使わなくなる」「暇になる」「欠員になる」という意味です。

「空ける」の意味

「空ける」は他動詞下一段活用です。

目的語を伴って使われます。

「空ける」は、「から」にする意味で使われます。

場所をふさいでいるものをどけて場所を作ることです。

「から」や隙間をつくることをいいます。

留守にすることです。

「家を空ける」のように使います。

◇「空」の漢字
「空」の字義は、「そら」「むなしい」「むなしくする」「から」「おおきい・ひろい」「虚無の様」などのです。

「むなしい」という意味の場合、「何もない」「尽きる」「うそ」「さびいし」という意味を含みます。

解字に於いて、「空」は「穴+工」で構成されます。

「工」の部分は「のみなどの工具で貫く」という意味です。

「貫かれた穴」という意味から「むなしい」という意味が生まれました。

転じて、「そら」を表すようになりました。

また、「工」の部分は「広い」を意味します。

それから「広い穴」を意味し、「空・そら」を表すようになりました。

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