「適正」と「適性」の違い・意味と使い方・使い分け

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「適正」は、適切で正しいことです。

「適正な評価」「適正価格」のように使います。

「適性」は、素質・性格・能力などがその物事に適していることです。

また、その素質・性格・能力などを言います。

性質がそのことに適していることです。

また、その性質のことです。

「教育者として適性に欠ける」「パイロットとしての適性を見る」のように使います。

「適正」の意味

「適正」は、よく当てはまって正しいことです。

「適正利潤」「適正速度」のように使います。

<適正手続き・・ディーププロセス・オブ・ロー>
日本国憲法第31条は、「法の適正手続き」の趣旨の規定と解釈されています。

「法の適正手続き」とは、誰しも適正な手続きによらなければ、生命・自由または財産を奪われることはないという原則です。

英訳する場合、「Proper/ just/justice 」で訳されます。

「適性」の意味

「適性」は、就学や就職の進路を決める時に考慮されるべきその個人の適応可能性のことです。

訓練や教育によって必要な技能を習得することができるか否かの目安とされます。

体格・運動能力・感覚機能・一般知能・特殊能力・性格などによって総合的に判定されます。

必ずしも遺伝的・先天的な資質や才能に限定されません。

「スポーツの適性が高い」「裁判官の適性を調べる」「適性検査」のように使います。

<適性検査>
一定の行動や職業に対して、どれほど適した素質を持つか測定る検査です。

職業上の適性を示す「職業適性」や、履修能力の程度を示す「進学適性」などがあります。

英訳する場合、「Fitness/ aptitude 」で訳されます。

「Fitness 」は、性格について用います。

「Aptitude 」は、主に能力について用います。

「適」「正」「性」の字義と解字

「適」の字義(漢字の意味)は、「往く・ゆく」「かなう」「あう」「まさに・ちょうど」などです。

「かなう」という意味の場合、「よい」「うまくあてはまる」「釣り合う・ほどよい」「心のどかに」という要素が含まれます。

解字(漢字の説明)では、「適」は「?+?」で構成されます。

「?」の部分は、「中心の一点に寄る」という意味があります。

「適」は「ある事柄が目的とする一点に寄って行く・かなう」という意味を表します。

「正」の字義(漢字の意味)は、「ただしい」「ただす」「あらかじめする」「まつりごと」「かしら・おさ」「長男」「北斗七星の第一星の指す方角」
「同じ官位の上位」「まさに」「本筋のもの・主な物」です。

「ただしい」の意味の反対語は、「邪」です。

解字(漢字の解説)に於いて、甲骨文字では、「正」は「口+止」で構成されます。

「止」は、足の象形です。

他国に向かって真っすぐ進撃する」という意味です。

「征」の原字です。

転じて、「まっすぐ」「ただしい」の意味を表します。

「性」の字義(漢字の意味)は、「さが」「こころ」「命」「いきていること」「男女の別」「仏教用語・万物の原因」です。

解字(漢字の解説)に於いて、「性」は「心+生」で構成されます。

「生」は、「うまれる」という意味です。

これより、「生まれながらの心・さが」という意味を表します。

「適正」は適切であること、適合していること、「適性」は個人の適応可能性のこと
「方正」「中正」「適正」「真正」「純正」「フェア」は類語です。

共通する意味は、「正当であること、正しいこと」です。

「方正」は、道理から外れたところがないことを表しています。

「品行方正」などと用いられます。

「中正」は、曲がったところや道理から外れたところ、または、偏りがないことを表します。

「適正」は、適切であること、適合していることを表します。

「真正」は、偽物でないこと、偽りのないことを表します。

「純正」は、不純物が少しも入ってないことを表します。

「フェア」は、法やルールに違反してないことです。

加えて、同義にかなっていることを表します。

「適性」は、就学や就職の進路を決める時に考慮されるべきその個人の適応可能性のことです。

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