「はんこ」と「印章」と「印鑑」の違い・意味と使い方・使い分け

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「はんこ」は、「印判」「判」のことです。

「はんこを押す」のように使います。

「印章」は、「印」「判」「はんこ」のことです。

「印章を押す」のように使います。

「印鑑」は、「印鑑」は印章、「印影」と「印顆・いんか」、「印」「判」のすべてを指します。

あらかじめ官庁や銀行や取引先などに提出しておく特定の印影のことです。

「印」の真偽鑑定に用います。

「印鑑を持つ」「印鑑証明」のように使います。

「はんこ」の意味

「はんこ」は、「印形・いんぎょう」のことです。

「印」「印半」「判」「認印」のことです。

「はんこ」は「判子」と書きます。

これは、「版行・はんこう」の転じたものだと云われます。

「はんこを押す」「はんこをつく」「判子を持つ」のように使います。

英訳する場合、「One’s seal 」で訳されます。

<はんこの歴史>

紀元前5000年頃、メソポタミアに始まりました。

初めは動物文や幾何学文を刻んでいましたが、次第に文字を彫りこんだものや円筒印章が現れました。

インドではインダス文明、中国では殷の時代(前1300~1050年ごろ)から始まりました。

中国の秦や漢の時代から、印材や鈕(ちゅう・ぼたん)や印綬や印文などによって、個人や国家の地位を示すようになりました。

日本では、AD57年、後漢の光武帝から「漢委奴国王」の金印が贈られました。

「印」が使われ始めたのは、律令制度下の奈良時代です。

律令制をしいた隋や唐の印制にならって官印制度を導入したことによります。

平安時代、律令制度の崩壊により印章は衰退しました。

一方、草書体から発展した署名のための「花押」が生まれました。

鎌倉・室町時代、禅僧たちの中国への往来が盛んとなり、自筆に印を添える習慣が伝わって、書画に落款の印を押すようになりました。

鎌倉時代以降、大きさ形も変化に富み、室町・戦国時代には、大名・武将が各種の印を用いるようになりました。

江戸時代、書家らによって中国の印譜(いんぷ・印章を集めた本)の研究や古印の鑑賞が盛んになって、「印」への関心が高まりました。

また、高芙蓉(こうふよう)のような優れた印人が現れました。

現在、署名の代わりに記名捺印が通常化しています。

公的にも私的にも「はんこ」は重要な働きをしています。

「印章」の意味

「印章」は、「印」「判」「印顆・いんか」のことです。

石・水晶・骨牙角・金属などに文字や絵を彫り、文書や書画に押して証明としました。

押印したものを「印影」といいます。

厳密には、真否を確かめるためにあらかじめ官庁や銀行などに「印影」を届けておきます。

これを印鑑といいます。

「印鑑」と「印章」は混同して使われることがあります。

「印章偽造」のように使います。

英訳する場合、「A seal/ a stamp 」で訳されます。

「印鑑」の意味

「印鑑」は、古くは、関門・城門を通過するときに提示した「捺印手形」のことです。

「印鑑」は印章、「印影」と「印顆・いんか」のすべてを指します。

法律上は、印影と対照してその真否を確かめるためにあらかじめ官庁・公署・取引先などに届け出ておく印影のことです。

実印ということもあります。

「印」の真偽鑑定に用います。

「印」「印章」「判」のことです。

多くの場合、特別な用紙に押していな印鑑簿に編成します。

通帳に押す場合もあります。

「鑑」は、「見分けるしるし」という意味です。

「印鑑証明」「印鑑登録」「印鑑証明の発行」「印鑑を押す」のように使います。

英訳する場合、「One’s seal 」で訳されます。

「はんこ・判子」は「判」の砕けた言い方、「印章」は「印」の書き言葉、「印鑑」は真否を対照鑑定するためあらかじめ役所や銀行に届けた印(印章)のことです。

「印」「印章」「印判」「印鑑」「判」「はんこ」は、類語です。

共通する言意味は、「個人や団体のしるしとするために、竹や象牙や金属などに文字を彫刻した型」です。

「印」「印鑑」は、押された印の意味で使われています。

特に「印鑑」は、真贋を対照鑑定するためにあらかじめ役所や銀行に届けた印(印章)の意味で使われています。

「印章」は、書き言葉です。

これを売る店の看板などに使われています。

「印判」は「印」の古風な言い方です。

「判」は、口語的な表現です。

文章などに押した印、または、印そのものを表す一般的な表現です。

「はんこ・判子」は、「判」の砕けた言い方です。

「はんこう」とも発音します。

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