「先祖」と「祖先」の違い・意味と使い方・使い分け

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「先祖」は、「ある家系の初代」を指します。

また、「ある家系に属した初代以降の人々」のことです。

「先祖代々の言い伝え」「先祖代々の墓」のように使います。

「祖先」は、その一族、または、一家の第一代に当たる人を指します。

また、「第一代から先代までの代々の人々のこと」です。

「人の祖先はサルです」「祖先崇拝」のように使います。

「先祖」の意味

「先祖」は、家系の初代のことです。

その血統の初代です。

古くは「遠つ親・とおつおや」「先つ親・さきつおや」と言いました。

また、「家系の初代から先代までの代々の人」のことです。

家廟に祀ってある人々を指します。

「祖先」と同じ意味です。

「先祖返り」「先祖正月」のように使います。

英訳する場合、「 An ancestor 」で訳されます。

「祖先」の意味

「祖先」は、その家の先代以前の人々を指します。

「先祖」と同じ意味です。

また、「今のものが進化する前のもの」という意味もあります。

多くの場合、「先祖」より古い系統を指して使われます。

「祖先の名前を辱める」「人類の祖先」「祖先伝来の品」のように使います。

英訳する場合、「An ancestor/ a forefather 」で訳されます。

「先」と「祖」の字義と解字

「先」の字義(漢字の意味)は、「さき」「さきがけ」「まず」「さきんずる」「すすめる」という意味があります。

「さき」という意味の場合、「はじめ・第一」「まえ」「むかし」「死んだ・亡くなった」「祖先」という要素を含みます。

解字(漢字の解説)に於いて、「先」は「儿+之」で構成されています。

「儿」の部分は人の象形です。

「之」の部分は足跡の象形を変形したものです。

「人の頭部よりさきに踏み出した足跡の様」を表しています。

このことから、「人より先立つ」を意味します。

「祖」の字義(漢字の意味)は、「父の父」「先祖」「先祖のおたまや」「はじめ」「はじめて」「もととする」「道祖神」です。

「先祖」という意味の場合、「その家系を開いた初代の人」「その初代から先代に至る代々の総称」という要素を含みます。

解字(漢字の解説)に於いて、「祖」は「示+且」で構成されます。

「且」の部分は祭器のことです。

祭で肉を乗せる台の象形です。

「供え物をして祀る先祖」を意味します。

「先祖」は家系の初代、または、初代から先代までの代々の人々のことを表す日常語
「祖先」は「先祖」より古い系統を指す文章語的表現です。

「先祖」「祖先」は類語です。

共通する意味は、「今生きている人に連なる先代までの人々」です。

以下のように使います。

「先祖代々の墓」「先祖代々伝わる家宝」「ご先祖様に申し訳ない」
「祖先の名を辱める」「家の祖先を調べる」

「先祖」「祖先」ともに、ある血統・家系の初代に当たる人のことです。

またそれを受け継いだ先代までの人々を指します。

「祖先」の方が古い系統を指していう意識が強くなります。

「先祖」が日常的であるのに対し、「祖先」は文章語的表現です。

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