「産科」と「婦人科」と「産婦人科」の違い・意味と使い方・使い分け

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産科は出産を取り扱う診療科です。

婦人科は、子宮筋腫や子宮内膜症や子宮がんや更年期障害などの婦人科疾患を診断したり治療したりする、診療科で出産の取り扱いはしていません。

産婦人科は、産科+婦人科だと考えるとOKです。

産婦人科は、お産と婦人科疾患の診断や治療を行っている診療科です。

近年は、お産は取り扱わないで婦人科のみとなっているクリニックや病院が増えています。

また、妊婦検診は行うけど分娩の取り扱いはしない、という婦人科クリニックも多くなってきました。

産科の意味

産む診療科と書いて「産科」です。

つまり出産を取り扱う診療科になります。

妊娠しているかどうかの検査や妊婦検診、妊娠中の様々なトラブルの診断や治療を行います。

例えば、つわりへの対応や妊娠中の血圧や体重の管理などを行う診療科です。

そして、通常は分娩も取り扱っています。

また、産後の母乳のケアなども行っています。

人気の医療漫画「コウノドリ」では、出産は奇跡だと言っているように、出産にはリスクがつきものです。

そのため近年は、妊婦検診は行うけど分娩は大きな病院でお願いします、という産科クリニックも増えています。

「婦人科」の意味

文字通り婦人の疾患を取り扱う診療科です。

婦人科を受診する人の多い疾患や体調不良には、生理痛や生理不順、子宮筋腫や子宮内膜症などがあります。

生理のある女性の5人に1人が子宮筋腫があり、10人に1人に子宮内膜症があると言われていますが、これらは婦人科で扱う疾患です。

また、不妊症の原因が女性にある場合は婦人科で治療を行うことが多いです。

不妊症治療が専門の婦人科クリニックも増えています。

その他に、45歳~55歳くらいの女性に多い更年期障害も、婦人科で検査や治療を行います。

45歳~55歳の女性の9割が体調不良を感じているそうです。

その中には更年期障害の人もたくさん隠れています。

更年期の女性で婦人科を訪れた人は異口同音に「我慢しないで、もっと早く受診したらよかった」と言っています。

婦人科では同時の診察方法である内診が敬遠される傾向がありますが、内診の恥ずかしさや苦痛は1分にも満たないので、更年期障害の苦痛をずっと我慢するよりもはるかに楽です。

更年期の体調不良は、婦人科を受診しましょう。

婦人科は、女性の味方と言える診療科です。

アメリカやフランスでは、娘が初潮を迎えたら親がかかりつけの婦人科医に連れて行くそうです。

生理痛の悩みなどを相談できる婦人科医がかかりつけ医として身近にいるという事は、女性の幸せな暮らしと大いに関係してきます。

アメリカやフランスの子宮がん検診の検診率は、7~8割もあるのに、日本の検診率はわずか2割しかありません。

日本でも、もっと婦人科が身近な診療科になってほしいものです。

「産婦人科」の意味

産科と婦人科がドッキングした診療科が「産婦人科」だと思って良いでしょう。

つまり女性が初潮を迎えてから一生を終えるまでの間、女性の人生の大半にかかわっているのが産婦人科です。

アメリカやフランスでは、女性は内科医よりも産婦人科医にかかりつけ医を持つ人が多いそうです。

学生時代は生理痛に関する悩みを相談し、その後は妊活や不妊症の相談をし、お産を任せて、出産後も更年期障害の予防や治療をし、子宮がん検診を受けるなど、女性の一生をサポートしてくれます。

女性と深い関りがあるのが、産科や婦人科や産婦人科です

女性が生まれるのは産科、そして初潮を迎えたら婦人科医をかかりつけ医に持ち、避妊や妊活の相談や不妊症の治療も婦人科で行います。

そして、妊娠して出産するときは産科のお世話になり、その後は子宮がん検診や子宮筋腫や子宮内膜症の検査などで婦人科のお世話になることでしょう。

このように、産科や婦人科や産婦人科は女性とは切っても切れない関係深い診療科です。

分娩や妊婦検診を行うのが産科で、女性の健康管理を行うのが婦人科、その両方を行っているのが産婦人科になります。

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