倹しいはぜいたくな生活をする余裕がなく、倹約につとめる様子。
「倹約」に言い換えると分かりやすい。
慎ましいとは何事にも謙虚に振る舞う様子。
礼儀正しく、控え目な様子。
「慎重」と言い換えるとと分かりやすいが、様子ではなく容姿を表すときにも使えるので、華美でない様もイメージとして押さえておくとよい。
倹しい
倹しいは「暮らしぶりがぜいたくでない。
地味で質素であるさま」を意味し、「つましい」か「倹しい」を使用する。
類義語には、質素、簡素、地味、つずまやか等があげられる。
漢字に変換したときに「倹約」「節倹」などの「倹」を用いるので合わせて覚えておくとイメージがつきやすいだろう。
慎ましい
慎ましいは「動作・態度が控えめで、遠慮深いさま、人に対して、気後れがする。
気恥ずかしい。」
を意味する。
「険しい」の意で、「慎ましい」を使用することを許容している辞書もあるが、日本語を大切にしている人に対しては使わないほうが無難である。
類義語には控えめ、遠慮深い、消極的、などがあげられる。
「倹しい」と「慎ましい」の用例
母子家庭の彼女は「倹しい」生活を送っています。
⇒現実的に金銭面で節約、倹約した生活を指せます。
ママゴトのような「慎ましい」暮らし。
⇒暮らしぶりの雰囲気や様子として、ひっそりとした、控えめな様子を指せます。
注意しなければならないのは「つつましい」と言うべき場面で「つましい」と言わないようにすることです。
例えば、良い意味で控えめな様子を見て感動したときに、「つましい方ですね」などと言ってしまうと、ケチ扱いされたかのように取られるかもしれません。
くれぐれもお気をつけください。
一文字違いで大違い
「つ」が1文字増えたり減ったりしただけで大きく意味が変わってしまう「倹(つま)しい」と「慎(つつ)ましい」。
うっかり逆の意味を使ってしまうと、勘違いを生んでしまうこともあるかもしれません。
一度、漢字に変換して考えると理解しやすいですね。
相手に真意を伝えるためにもよく意味を理解し、解釈して使用しましょう。