「伝聞」と「人づて」の違い・意味と使い方・由来や例文

B!

「伝聞」は、伝え聞くことです。

英語では「hearsay」「hearing from other」で表されます。

「伝聞したところでは見込みはないそうだ」は「There doesn’t seem to be much hope, from what I have heard. 」です。

「伝聞によって知っているだけだ」は「I know about it only from hearsay. 」です。

「人づて」は、他人を通じて間接的に聞くことです。

英語では以下のように表されます。

「そのことを人づてに聞いた」は「I heard it secondhand. 」「I heard it through the grapevine. 」です。

「人づてでは信用できない」は「I can’t rely on hearsay. 」です。

「伝聞」の意味

「伝聞」は、以下のような意味です。

①伝え聞くことです。

人づてに聞くことです。

また、その内容をいいます。

②文法では、人から伝え聞いたこととして述べる言い方をいいます。

口語では、動詞に助動詞の「そうだ」を付けていいます。

以下のように使います。

私の伝聞では、彼はイギリスにいるらしい その行為は違法だそうだ

☆伝聞証拠
法律用語です。

事実認定の基礎となるべき実見事実が、間接的な形で裁判所に報告された証拠です。

「供述書」「供述録取書」「伝聞供述」がこれにあたります。

刑事訴訟法上、証拠能力が制限されます。

「人づて」の意味

「人づて」は、他人を通じて間接的に聞くことです。

また、他人に依頼して言葉を伝えることです。

人を介してつたえること、伝わることです。

以下のように使います。

別れた人の様子を人づてに聞く 人づてに知ることを良しとしない

☆古文
古今和歌集(恋)に「人づてにのみ聞きわたるかな」とあります。

後拾遺(恋)に「今はただ思ひ絶へなむとばかりを人づてならでいふよしもがな」とあります。

☆関連語

「風の便り」は、だれからともなく聞くものです。

「うわさ」「風聞」と同じ意味です。

拾遺和歌集(哀傷)に「君まさばまづぞ折らまし桜花風のたよりに聞くぞ悲しき」とあります。

「故郷の話を風の便りに聞く」のように使います。

「口コミ」は、うわさ・評判などが伝言ではなく、人から人へと伝わることです。

マスコミにはのらない情報です。

英語では「word-of-mouth communication」で表されます。

「口コミでお客がどんどん増えた」のように使います。

「伝聞」は 伝え聞くこと、 「人づて」 は他人を通じて間接的に聞くことです。

「聞き伝え」「伝聞」「人づて」「又聞き」「仄聞・そくぶん」は、類語です。

「風の便り」「口コミ」は、これらの言葉の関連語です。

共通する意味は「その人から直接ではなく、他人の口を通して聴くこと」です。

「聞き伝え」と「又聞き」は、会話でも使います。

直接聞くのではなく、その話を聞いた人から伝え聞くことです。

「伝聞」「仄聞・そくぶん」は、文章語です。

「仄聞・そくぶん」は、「何人もの人を伝ってきた話を小耳にはさむ」という意味です。

「側聞」とも書きます。

「人づて」は、「人づてに連絡する」のように「人を介して言葉を伝える」という意味です。

最新の記事はこちらから