割引債は「元金から予め償還日までの利息を差し引いて販売される債券のこと」。
「利息先払い」と言い換えると分かりやすい。
利付債は「償還日まで発生する利息を分割して後払いする債券のこと」。
「利息後払い」と言い換えると分かりやすい。
割引債は小型の定形サイズが多く、利付債は大型の本券の下に利札が何枚も付いたものになります。
「割引債」は割引という仕組みで利息を先に貰います。
「割引債」は額面金額が100万円としますと、一年償還、年利5%として金利5万円を先に貰うという仕組みです。
現金で貰うのではなく、額面金額から引いてくれるのです。
販売価格が額面100万円の債券は95万円になりますから、95万円の現金があれば100万円の債券が購入出来るのです。
利息を割引という仕組みで先に貰うということです。
「利付債」は利札と利息を交換します。
「利付債」は額面金額が100万円であれば、現金は100万円必要になります。
利息は半年ごとに分割して決められた期日に利札(りふだ、りさつ)と交換して貰います。
利札は本券の下に何枚かが小さな証券の形式で付いていますから、期日毎に切り取って現金化します。
元金は償還期日が来ましたら、元金の100万円が戻ってくるというものです。
利息を利札と言う形で後に貰うという仕組みです。
「割引債」と「利付債」は無記名です。
「割引債」も「利付債」も無記名式の証券ですから、所得に掛かる税金は源泉分離課税になります。
また、多額の証券を自分で保管することはリスクを伴いますので、普通は発券銀行に預けておき、償還日の管理や利札の期日の管理などをして貰います。
また、高額券を低額券に分割発行しても貰えますし、利息を債券の購入に充てることも出来ます。
「割引債」「利付債」は特定の銀行で発行されます。
「割引債」と「利付債」は長期信用銀行などの限られた金融機関で発行されます。
そのため、「割引金融債」「利付金融債」と呼ばれ、国が発行する「国債」や他の債券とは区別されます。
かつては発行金融機関の名前から、「ワリチョウ」「ワリトウ」「ワリシン」「リッチョウ」」「リットウ」「リッシン」などの愛称で親しまれていました。