かつては「昔の一時期のこと。」
「過去の一時期」と言い換えると分かりやすい。
以前は「過去のこと、ある時期から前のこと」。
「過去の一部」と言い換えると分かりやすい。
「かつて」は過去の特定の時期を念頭にして使う言葉です。
「かつては賑わっていた商店街も今は寂れている」と使い、「以前」は過去全般や過去の特定時期から前のことを言います。
「かつて」は特定の一時期のこと
「かつて」は過去の特定される一時期のことを言います。
現在との比較で使う言葉になり「今と違いかつては~だった」と使います。
「今は住宅街となっているここも、かつては一面畑が広がっていたのだ」「今は見る影もない荒れ寺も、かつては名刹と言われた寺だった」「かつてないほどの人が集まったイベント」などと使います。
「以前」は過去の特定の時期から前のこと
「以前」は過去全般を指す場合もあり、また、過去の特定時期から前のことを指す場合もあります。
「以前ほどではない」「以前は違う」「維新以前は着物だけだった」「有史以前は記録がない」「以前はあのような態度ではなかったのだが、分からない」「以前のようになってもらいたい」「以前から変わらない言動をしている」などと使います。
「かつて」と「以前」の指す時期とは
「かつて」の指す時期は概して、ある程度時間の経過が進んでいる一昔のことです。
「往年」などとも言います。
盛んであった時のことを言うことが多く、現在の状況と比較して使います。
「以前」は直前から大昔まで過去全般に亘って使います。
特定の時期を含めてそれよりも前のことを指します。
「それより以前」は「それ」も含む言葉になります。
「かつて」と「以前」とは
「かつて」は一昔前の全盛期の頃を多く言うことがあります。
現在と比較して使われます。
「今は~だが、かつては~だったのだ」と使います。
「浅草も今は落ち着いているが、かつては東京で一番の繁華街だった」と使います。
「以前」は過去の特定の時期より前のことを言うのに使います。
「以前はそんなんじゃなかった」「平安以前は武士もまだ力がなかった」などと使います。